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令和7年(2025年)3月25日 知事定例記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0231056 更新日:2025年3月25日更新

【3月25日】知事定例記者会見

令和7年3月25日(火曜日)10時00分~ 


定例記者会見

日時:令和7年(2025年)3月25日(火曜日) 10時00分から
場所:知事応接室

会見録
 知事定例記者会見の会見録や資料等を掲載しています。
 なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。

 説明資料(スライド資料) (PDFファイル:3.23MB)
 

発表項目・コメント
 「くまもと防災ウィーク(4月)」の実施について
​​ ・くまもとサイエンスパーク推進ビジョンの策定について
​ 中国訪問について​
 人事・人材育成基本方針の改定について
 県庁総合案内のリニューアルについて

質疑応答
 質疑応答1 くまもとサイエンスパーク推進ビジョンの策定について 1
 質疑応答2 くまもとサイエンスパーク推進ビジョンの策定について 2
 質疑応答3 「水俣病は感染症」宇城市カレンダーについて
 質疑応答4 くまもとサイエンスパーク推進ビジョンの策定について 3
 質疑応答5 くまもとサイエンスパーク推進ビジョンの策定について 4(渋滞対策含む)​
 質疑応答6 くまもとサイエンスパーク推進ビジョンの策定について 5
 質疑応答7 県職員の人事異動について 1
 質疑応答8 熊本市電同士の追突事故について
 質疑応答9 くまもとサイエンスパーク推進ビジョンの策定について 6
 質疑応答10 くまもとサイエンスパーク推進ビジョンの策定について 7
 質疑応答11 県職員の人事異動について 2
 質疑応答12 くまもとサイエンスパーク推進ビジョンの策定について 8​
 質疑応答13 くまもとサイエンスパーク推進ビジョンの策定について 9
 質疑応答14 私立高校いじめ重大事態報道について
​​ 質疑応答15 天草こざとこ学園の開校について
 質疑応答16 教育庁の人事について
​ 質疑応答17 JR肥薩線について
​ 質疑応答18 くまもとサイエンスパーク推進ビジョンの策定について 10


(1)発表項目1


「くまもと防災ウィーク(4月)」の実施について

知事写真 今年度最後の記者会見となりました。よろしくお願いいたします。
 私のほうから今日5点発表させていただきます。
 まず1点目が「くまもと防災ウィーク(4月)」の実施についてでございます。
県内各地に甚大な被害をもたらした熊本地震から来月14日で9年を迎えます。
災害に対する記憶が薄れていくことが懸念される中で、そうした記憶を薄れさせないために、また、災害の経験や教訓を生かした防災の取組みの啓発を強化したいということで、「4月のくまもと防災ウィーク」を新たに定めまして、県民の皆様の防災意識を高めていただくこととしております。
期間は熊本地震の前震がありました4月14日、本震がありました4月16日を含む2週間程度ということで、令和7年度は4月11日から25日までの2週間をこのウィークの期間とさせていただきたいと思います。
県の取組みとしては、まず4月14日に、熊本地震の犠牲者追悼式を防災センターの祈念碑前で開催いたします。
また、この防災ウィークの期間中2週間は、県防災センター、それと南阿蘇村にあります熊本地震震災ミュージアムKIOKUを、土日を含めて毎日開館いたしまして、防災センター展示・学習室の方では、毎日防災研修を行います。
県民の皆様にもこれを機会に、今一度、熊本地震の教訓を含めた防災の学びの機会を提供させていただければと思っております。
また、県内各地防災センターの他にも、いろいろなところでパネル展示を行います。
そしてさらに、その他、県の広報も発信させていただくと同時に、参集訓練を含む(防災)訓練も併せてこの期間に行いたいと思います。
さらに、各市町村においても、熊本市、大津町、御船町、益城町でも、このような防災イベントを行いますので、報道機関の皆様、報道していただければありがたいと思っております。よろしくお願いいたします。

 

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(2)発表項目2


くまもとサイエンスパーク推進ビジョンの策定について

知事写真

 続きまして、くまもとサイエンスパーク推進ビジョンの策定についてご報告いたします。
 今年度、産学官の関係者の皆様と研究会を行いまして、くまもとサイエンスパーク推進ビジョンを検討して参りました。
その結果として、くまもとサイエンスパーク推進ビジョンというものを策定いたします。
基本的な考え方は、分散型サイエンスパークというものでございます。
サイエンスパークに必要な機能を複数の拠点で分担していくというものでございます。
特に、この中核となりますのは、現在ソニーやJASMなどが立地しております、この周辺の地域、セミコンテクノパークでありますけれども、このエリアの周辺でも、大津町さんが工業団地を準備していたり、菊陽町の区画整理、合志市、菊池市がそれぞれ住宅や商業施設の開発などを今、計画しております。
こうしたものを統合して、サイエンスパークとして考え、分散型のサイエンスパークを進めていきたいと思っています。
次に、このくまもとサイエンスパーク、5本の矢という概念をご報告させていただきます。これが基本的なサイエンスパークの理念でございます。実現のためにこの5つの構成でいきたいと思っています。

 1点目が、半導体関連企業及び半導体を使うユーザーの企業(の集積)です。
半導体を作る工場だけではなくて、それを使うユーザー企業群も狙っていきたい。
AI、自動運転、ロボット、遠隔診療など、社会実装が見込まれる様々な半導体のユーザー企業の集積を図っていきたいと思っております。

 2点目が、この中核に新たな産学官連携の拠点、イノベーション創発エリアを整備していきたいと思っております。
時期や実施主体などはまだこれからになりますけれども、官民連携でこの中核拠点を作っていき、このイノベーションエリアに様々な大学や研究機関、またはそうした共同で利用できる施設などの整備を行っていこうと思っています。

 3点目がパークマネジメント法人の設立でございます。
私どもが今回参考にしていた台湾のサイエンスパークは管理局というものがございまして、向こうは国営というか行政が作るものなんですけれども、私どもはこれを官民連携で設立を目指していけないかと(考えています)。
このパークマネジメント法人は、このエリアの中核となるイノベーション創発エリアの土地を所有したり、企業へ賃貸をしたり、産学官連携の主導的な役割を担う、(そのような)法人を作りたいと思います。

 この二つの取り組みを実行していくために、来年度、官民連携のパートナー企業の公募を行いまして、産学官連携の場と仕組みを整備して参ります。先ほども少し申し上げました、こうしたイノベーション創発エリアの中に、半導体人材育成に特化した大学や研究機関の誘致を目指し、半導体人材育成に特化したオンリー1の地位を確立できるような大学なり、大学のどこかの学部でもいいかもしれませんし、国やいろんなところの研究機関、または企業の研究組織でもいいです。そうした研究機関を誘致していきたい。

 5点目は、大学生、企業、研究者が共同で(利用)できる施設を整備していきたい。
例えばクリーンルームみたいなものをイメージしています。
大学や研究機関を誘致するためにも、この優位性を確保できるこうした共同研究の場の整備も進めていきたいと考えています。

 この5本の矢のもとに、くまもとサイエンスパークを進めていきたいと思っております。
そこで、このサイエンスパークをさらに周りで支えていくための施策として、生活や住環境の充実、先ほどのサイエンスパークの絵のほうにもありましたけれども、インフラの充実、物流機能の向上、これを進めていくとともに、サイエンスパークの特色を出す施策として、地域の課題解決のための共同研究をここで進めていきたいと思っています。
例えば、水や農業などの研究をこの場で進めていきたい。また、このサイエンスパークをより実効性あるもの、またはイノベーションの場とするために、国家戦略特区の活用も視野に置いていきたいと思っております。
続きまして、このサイエンスパークを作ることによりまして、この県北エリアを、くまもとサイエンスパークを中心に、UXプロジェクトをやっている空港周辺、または中九州道ができた暁には、県南に新しく作る工業団地とも連携しながら、このサイエンスパークの効果を県内全域に波及させていくとともに、九州でも今各地でサイエンスパークを作ろうという動きが出つつありますので、まず熊本が先陣を切って、進めて参りたいと思っています。

 そして、シリコンアイランド九州の実現を図り、東アジアの中心に位置する熊本が東アジアを代表する産学官連携の拠点をこのサイエンスパークから目指していきたいと思っております。
最後に、以上の「くまもとサイエンスパーク」のコンセプトと目指す理想の姿を、イメージ化したのがこの紙でございます。
ビジョンに掲げた施策を着実に推進していくために、これから事業主体、事業スキームを市町村、そして企業、大学、様々な金融機関と連携して、くまもとサイエンスパークを目指していきたいと思っております。
新しい産業が熊本から生まれ、お子さんやお孫さんが喜んで熊本に残って、そして世界から熊本が選んでいただけるような、産業拠点、産学官の連携拠点を、熊本で実現したいと考えております。

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(3)コメント1


中国訪問について​

知事写真  続きまして、明日から4日間、私が知事に就任して初めて中国を訪問させていただきます。
まず、今年の5月で友好提携43周年を迎えます広西壮族自治区(こうせいそうぞくじちく)、私どもの友好提携先を知事として初めて訪問させていただき、自治区の幹部の皆様と面会をして、今後の本県と広西壮族自治区(こうせいそうぞくじちく)の友好の絆を再確認するとともに、今後の交流拡大について意見交換を図っていきたいと思っております。
併せて、せっかく中国に行きますので、上海において、飛行機会社、クルーズ船社、貨物船社の幹部にも直接お会いして、将来的な路線の就航、それからまた熊本への送客の増加をお願いして、セールスをしていきたいと思っております。

 

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(4)発表項目3


人事・人材育成基本方針の改定について

知事写真

 4点目です。人事・人材育成基本方針の改定をいたしました。
 熊本県では、職員のレベルアップを図るために、平成25年(3月)に人事・人材育成基本方針を作りましたが、12年経ちまして、知事も変わったということで、今の時代の流れ、特に、少子高齢化、半導体産業の集積、デジタル化の進展、そして、公務員も含めた人手不足、こうしたものに対応していくため、これらの変化への対応を明確にするために、人事・人材育成基本方針を変更いたしました。
改定のポイントは県民が(主人公の県政を推進するため)、本県が職員に求める職員像というのを、明確に3つ定めました。

 現場主義・スピード感・コスト意識をもって県政を推進する職員、そして、既存の枠から飛び出す精神で積極果敢にチャレンジする職員、そして、成長志向とチームスピリットを持ち活き活きと輝く職員、この三つの柱をもとに、県民が主人公の県政を実現していきたいと思っております。
やはり、特に私の場合は現場主義を掲げておりますので、現場に入っていってリスクを恐れず、チャレンジしていく職員を生み出していきたいと思っております。

 また、特に大事なのはワークライフバランスの実現でございます。そうした中で、職員が安心して勤めていける組織を作っていきたいと思っております。

 次に、全体の具体的な取り組みの中で、実際に今、市町村も職員の確保に大変苦労しています。そういうことですから、例えば県がやる研修に、市町村から職員にも来ていただけるような枠を設けるなど、市町村を支援していく取り組みも強化していきたいと思っております。

 県が掲げた、求める職員像を全職員に共有して、組織全体をレベルアップしていって、私が目指す県民が主人公の県政の実現につなげていきたいと思っております。この方針は、対外的にも公表して参りますので、これからの時代を担う、これから県庁に入りたいという若手の皆さんへのアピールにも、しっかり使っていきたいと思っております。

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(5)発表項目4


県庁総合案内のリニューアルについて

知事写真 最後、5点目です。県庁の総合案内を今日からリニューアルさせていただきます。
 昨年4月から本館1階の総合案内の受付職員を今まで常駐していたものを、モニターにしてタッチパネルで検索できるシステムを入れたんですけれども、ちょっとAIが対応しているようで分かりにくいとか、いろいろなご意見をいただきましたので、また、一番多かったのが、通話を開始するボタンが分からないということなので、簡単な総合案内で、ボタンを押せばすぐ、リモートでビデオ電話につながるという形を、分かりやすくする表示に変えました。
また、聴覚障害のある方から、手話とか筆談を求めるのをうまく伝えられないということなので、すぐ横に希望カードを置いて、ボタンを押してリモート通話が始まったら、このカードを見せると手話のできる方がやって来る。または、筆談の場合であっても職員がすぐやって来る、という仕組みを導入いたします。

 さらに、検索システムもしっかりとしたものを導入して、課名とか、目的・訪問先で分かるような検索システムを導入しました。
また、外国人の来庁者が多いので、これは中国語(台湾語)をイメージしていますけれども、本館の4階というイメージだそうです。
そういうのが、日本語、英語、中国語の簡体字と繁体字、韓国語、フランス語、ベトナム語の7カ国語で表示できるなど、機能の充実を図ったところでございます。

 皆さん、ぜひ、便利になった総合案内をご利用いただきたいです。

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質疑応答1


くまもとサイエンスパーク推進ビジョンの策定について 1

(幹事社)
サイエンスパークについて、まずこの九州地域戦略会議との連携みたいなものが、先日もあったと思うんですけれども、具体的にどういう分野で連携ができそうだとか、そういうことがあれば教えてください。

木村知事
九州地域戦略会議では、九州内での分散型のサイエンスパークというのを提言しています。ですので、熊本以外のところでもサイエンスパークを、具体的には北九州市長が明確に表明されています。
ただ、それぞれがちょっと違う要素を持っていると思っていまして、一方でサイエンスパークを経営するノウハウ、運営するノウハウみたいな(共有できる)ものもあろうかと思っています。
九州地域戦略会議には私ども入っていますけれども、ともかく、まず、熊本で先行してやっていきたいと思っています。
全部の足並みが揃わないと次にいけないというわけにはならないかなと思っています。
また、場合によっては、例えば、特区の活用というのを入れていますけれども、特区は福岡市や北九州市も国家戦略特区の指定を受けていますので、連携してできる。熊本のためだけというよりもそこは連携してできる特区の要望なんかが、国に対してもあるのではないかと思っています。
まずは熊本で先行してやっていきたいと思っています。


壮大な構想だと思うんですが、完成というのはなかなかないと思うんですけれども、どれくらいのスパンである程度形をつくっていきたいなど、あれば教えて下さい。

木村知事
まだ、きれいなロードマップが描けているわけではありません。
これから求める機能、または、大学や研究機関がどういうのがあるかとかも含めてではあるんですが、ただアクセス鉄道の開通が2034年を目指していますので、2034年までに何か形になるものを、そこにある程度、腰を据えてつくり上げていきたいと思っています。


最後に、パートナー企業の公募ということですけれども、どういった役割を果たすのか、期待しているパートナー企業の役割を教えてください。

木村知事
台湾の場合は、行政が開発して、行政が運営するのがサイエンスパークであり、サイエンスパーク管理局という所がやっています。
たぶん今の日本ではその手法だと十分じゃないんじゃないかと(思っています)。
例えば工業団地をつくるにしても、今は民間と連携して、民間企業、ディベロッパーの方に委託したほうが早く進む場合もあります。
また、産学連携機能でどういうのがふさわしいかなどのリサーチとかも含めて、これから県と一緒になって設計図を描いていける人ということで、民間企業のパートナーをイメージしているところでございます。

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質疑応答2


くまもとサイエンスパーク推進ビジョンの策定について 2


ひとつこうやってビジョンがまとまりました。
ロードマップ等はこれからということですけれども、ざっと具体的にこれだけのものが進んでいくとなると、将来の熊本にどんな未来が待っているのか、今描いている未来予想図でありますとか、その辺、知事にとってどんな熊本になりますでしょうか。

木村知事
やはり新しい産業が起きる場、そして、新しい人材が生まれていく場にこの熊本をしていきたいと思っています。
どんな産業が今後発展していくかはわかりません。ただ、それは産学の連携のなかで、いろいろな新しいイノベーションが起きているというのが、私が今、半導体をきっかけに研究を重ねた台湾なんかの事例を見ているとそう思います。または、アメリカのシリコンバレーも同じようなものだと思っています。
日本ではなかなかそういう産学連携が進む場がなかった。大学は大学、企業は企業。企業の中にそれぞれ研究機関があるということなんですけれども、やはり、これからの産業を興していくためには、産学が連携して創発していくような場があるといいねというのが、今の熊本に立地している例えばソニーさんとか東京エレクトロンさんとかも、皆さんそういう思いを持っていらっしゃいます。
また、大学側、これは具体的にどこが進出するということは全く決まってはいませんけれども、今、熊本大学さんとか、または、県立大学の黒田理事長なんかとお話していても、そういう大学のほうが今は開かれようとしている。
実際、今、熊本大学が半導体の関係で内閣府の交付金を使ってやっていることなんかも全部開けています。
ですので、ともかく産学が連携して、九州中のみならず日本中、または、ひょっとしたら世界中から人が集っていって、新しい産業を担う人材が生まれ、そして熊本がその新しい産業を生み出す場になっていくということで、50年後、100年後の熊本に、または、その時の時代にあった産業が生まれていくということで、地方創生、または、こういう人口減少からの脱却にもつなげていけたらと思っています。


5本の矢の内の4番目の半導体人材育成に特化した大学研究機関の誘致というところで、世界に類を見ない大学または学部の立地ということもあります。
ここに、新たな大学が出来るということも想定していらっしゃるということでしょうか。

木村知事
少子化のなかで新しい大学をつくったりするのは非常にいろいろなリスクも伴います。また、その運営経費とかも含めていろいろ(必要)なものもあります。
ですので、特定の大学ありきではなくて、もちろん大学が進出してくるということもあり得るかもしれませんし、県内の大学がこちらのほうにさらに拡張するという場合もあるかもしれませんし、国内にある様々な国や独立行政法人などのいろいろな研究機関の分室とかブランチをつくってもらうこともあり得ると思っています。
だから、大学ありきではないということはご理解いただきたい。
大学や研究機関ということになります。

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質疑応答3


「水俣病は感染症」宇城市カレンダーについて


くまもとサイエンスパーク、まだたくさん聞きたいことがあると思うんですけれども、最後に一つだけ、今日の発表項目とはちょっと違うんですけれども、先日、宇城市のほうで水俣病が感染症だというような誤った表現でカレンダーが配布されました。
水俣病問題、木村知事も非常に重要な問題として取り組んでいらっしゃるなかでこういう問題が起きたことに関して、率直に受け止めをお願いいたします。

木村知事
今回の宇城市のカレンダーの記述は明確に誤りです。
誤った記述が掲載されたことは極めて遺憾であります。
やはり、水俣病に対する正しい理解を深めていくための啓発が、今もなおしっかりと必要だということを改めて認識しました。
県としてもしっかりと啓発に取り組んで参りたいと思っています。

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質疑応答4


くまもとサイエンスパーク推進ビジョンの策定について 3

知事写真


サイエンスパーク、度々申し訳ないんですけれども、2点教えてください。
5本の矢の1番目のユーザー企業の集積というところがあると思うんですけれども、ユーザー企業を求める理由というところを教えてください。

木村知事
半導体のチップとかをつくっていくことだけだと拡がりがないと思っています。
逆を言えば、昭和63年頃に日本が世界の半導体、DRAM市場ですけれども、トップを、日の丸半導体が今のTSMC並みに世界のシェアを持っていたのが凋落していったのは、半導体を使う産業が日本の中で生まれてこなかった。チップを輸出してそれで終わりだったという。
これから熊本でいろんな半導体、特に最先端半導体をやるには、やはり使う産業もセットでないと(いけないと思います)。極端な話で言えば、今のアメリカみたいな保護主義みたいなことに走ってしまうと、輸出ができなくなったら、その工場はぽしゃってしまいます。または、労働力単価が安い国に移転してしまえば、そちらでもっと安くつくられてしまう。日本の家電とかもみんなそれで日本が凋落していったんだと思っています。
やはり、それを使う産業を生み出していくということがセットになって、熊本ないしは半導体関連企業が発展していくと思っていますので、特に半導体を使うようなAIとか、ロボットとか、自動運転とか、遠隔診療とか、そういうもの(産業・企業)を積極的に誘致していくということをセットでやっていきたいと思っています。


あと一点教えてください。
場所なんですけれども、サイエンスパークの場所に関して、拠点となる場所はセミコン周辺と考えていいんでしょうか。

木村知事
そうです。


各地に波及するようなイメージはあるんでしょうか。

木村知事
サイエンスパークには先ほど申し上げたように、イノベーション創発エリアという産学官連携の拠点みたいなのは、基本、今のセミコンテクノパーク周辺で考えていますけれども、一方で、例えば住居を広げていきたいと考えている人たちもいますし、商業地も(整備を)進めている。または、菊陽のほうでは、こちらでも産学官連携をやりたいとか動きがあるんで、そこは連携、相談しながらだと思っています。
さらにいえば、いずれ八代とかの工業団地が出来て、または、中九州道も通っていくとより広い範囲に広がっていくことはあると思います。
ただ、全部が全部、県が管理する、県というか、または、マネジメント法人が管理するとなると大変になってしまいますので、まずはこの創発エリア、ここにマネジメント法人が運営する拠点をつくっていきたいと思っています。

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質疑応答5


くまもとサイエンスパーク推進ビジョンの策定について 4(渋滞対策含む)


サイエンスパークのところでお願いしたいんですけれども、分散型ということになると、アクセスというところが大事になってくるかなというふうに思います。
どこも、今、渋滞が大変になってきているところの周辺だと思うんですけれども、そのあたりの対策というのは、これまでもやっていることでしょうけれども、改めてお伺いしたいです。

木村知事
先ほどの絵図(配布用資料p.6)のほうです。中九州道の整備、そして、また、南北につながる道みたいなの、かなりこれイメージで描いてはいますけれども、着実に進めていきたいと思っております。
渋滞対策は、なるべく今の10年計画でやろうとしている渋滞対策と近い範囲ででき得るのが、この分散型といいながらこのセミコンテクノパーク周辺でやるということの意義だと思っています。しっかりと渋滞対策を講じて参ります。


分散型ということで、全県波及という話も先ほどからあっていますけれども、こう見ると、分散型でもやはり県北にまとまるかなと県南の方は思ってしまうところもあると思うんですが、全県波及というのはどういうイメージで広がっていくというふうにお考えでしょうか。

木村知事
まず、バラバラにやることは不経済なんです。経済行為に反するので、集積によって効率なり生産性の向上が図られると思っています。
ただ、例えば八代側であっても、八代には工業団地が確実にできます。そして、八代とこのセミコンテクノパーク周辺を結ぶ中九州道の完成の暁には、下手すれば熊本市内から下道で行くよりも八代のほうが、高速で行ったほうが近いという場合も出てくるかと思います。そうしたなかで、八代港の機能を強化していくことで、例えば八代の貿易港としての地位が高まれば、こちらのほうと連携して拡がっていくと思っています。
あくまでも、サイエンスパークは企業も誘致するんですけれども、まずは中核となる産業が生まれてくる産学官連携拠点ということなので、それであれば、やはり一番の大企業とシナジー効果が起きやすいこの地域をと思っています。
ただ、何とか全県に広げていくためには、よりここが強くなっていかないと、全県に効果が波及していくことはないと思っています。


ユーザー企業の誘致との話がありましたけれども、これはTSMC熊本工場第三工場の誘致だとか、そういうところともつながってくるような話なんでしょうか。

木村知事
第三工場がどういう機能になるか、まだTSMCも全く言っておりません。
ただ、TSMCのいろいろな(事例)を見ていくなかでは、基本はもちろんTSMCというのは半導体を生産する企業なので、そうしたなかでユーザー企業が来ることによって、例えば半導体企業のR&Dセンターみたいな、研究開発機能が熊本に来ることもあるかもしれません。そういう意味で私は大変期待しておりますし、やはり第三工場は視野に置いて、このサイエンスパーク構想を進めています。

第三工場でつくる最先端の半導体を使う企業がないと。
今、日本にはそういう企業がないので第三工場の計画が無いんです。
そういうことをしっかりと私たちは先を見据えて、ユーザー企業が集積できる場をつくっていきたいと思っています。

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質疑応答​6


くまもとサイエンスパーク推進ビジョンの策定について 5


先ほどパートナー企業の公募という話がありまして、先週、三井不動産の植田社長が、三井不動産としては積極的に乗り出していくという意向を示しました。
今回そのビジョンを見ても事務局に三井不動産が入っています。三井不動産とのからみというか、そのあたりどのように考えているのか教えてください。

木村知事
やはり、私たちは行政ですので、まず去年の有識者との検討会議も公募の中で事務局を、三井不動産が取られたというところです。
また三井不動産の植田社長がそういう話をしているというのを聞いていますが、この計画は三井不動産さんの考えていることであって、私たちが考えていることとどこまで合致するかは、まさにこれからの公募の中で、各社、他にも意欲を示しているところがございますので、いろいろなご意見を伺いながらサイエンスパークを実現していきたい。広く多種多様な民間事業者の知見を生かして、このビジョンに基づいた事業を、どういうふうに実現に向けた事業計画を作っていただけるかということで、広く提案をしていただきたいと思っています。三井不動産ありきでは、絶対無いです。

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質疑応答7


県職員の人事異動について 1


発表項目外で2点お伺いさせてください。
1点目が、新年度の県の人事異動なんですけれども、こちらの改めて全体の異動の知事としての狙い、木村カラーとしてはどのあたりで出したと感じられているか、そのあたりをお伺いしていいでしょうか。

木村知事
新年度人事を先週発表いたしましたが、今年の人事のテーマは技術職の登用です。
教育長に県立高校の校長先生を経験した越猪(おおい)先生になっていただく。
また、農林水産部長に農業職の中島さんになっていただくという、これは両方ともほぼ初めてに近いことをやっています。
それは、やはり今まで技術の人、または学校の先生は教育長とか部長にはならないもんだという不文律があったので、それを打ち破りたいと思っていたのと、まさにそういうのにふさわしいお二方がちょうどおられたということで、去年、土木職の亀崎副知事を登用したことから一連のつながりが大体ここで完成したかなと(思います)。
ほかにも細かいところですと農林水産政策課長に、技術職の紙屋さんになっていただきましたし、そこにもいますけれど、国際局長には櫟本さんになっていただきました。彼女みたいに国際職でずっときた方に本当にプロになっていただくということで、来年度はそういうかたちで人事構成をさせていただきました。

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質疑応答8


熊本市電同士の追突事故について


もう一点が、また話題が変わるんですけれども、所管が熊本市の方にはなると思うんですが、今朝、熊本市電同士の追突事故というのが発生しました。
県としても渋滞解消に向けて公共交通機関の利用の促進というのも、促していきたいというようなお考えだと思うんですけれども、そうしたなかで、たびたび安全に対する信頼が揺らぎかねない、こういった事態が起きていることについて知事の受け止めを願いします。

木村知事
熊本市電の追突事故については、ちょっと細かい被害の状況までは、まだ私は承知していませんが、やはり交通事業者として市電を運営する熊本市には、しっかりと市電の安全を徹底していただきたいと思っています。
市電に限らずバスも含めて今、運転手不足とかいう中で何か課題はないか。県としても熊本市と連携して市民の公共交通が、いわゆる減るようなことがないように、公共交通を倍にしていくという目標を県として掲げていますので、しっかりとそこは市と連携して課題を解決して、原因を分析して対応をとっていきたいと思います。

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質疑応答9


くまもとサイエンスパーク推進ビジョンの策定について 6

知事写真


私もサイエンスパークに関連してお尋ねがあるのですが、さっき賃貸という話があったと思うのですけれども、マネジメント会社のところですね。これイメージは、今、例えば町や県が用意している用地とか工業団地を、こういった法人が管理するというようなイメージなのでしょうか。

木村知事
2つあろうかと思っています。
公共が買うという、整備して、例えば民間が運営するというパターンもあろうかと思いますけれども、私はそれにプラスして、民間が開発して、民間が売る場合もあるでしょうけれども、賃貸というかリースでやるということもあろうかと思っています。
意外にいろいろな企業さんに聞くと、一応、今まで県の工業団地というのは県が整備をして、そして民間企業に売るというパターンだったのですけれども、そうでなくてリースのほうがいいという企業さんもおられるようです。
また、台湾のサイエンスパークは公共が作った団地をリースする、賃貸するということなので、そういうのも新しい視点として視野に入れていこうと思っています。だから民間が開発して民間がリースしていく場合もあろうかと思います。


あと確認なんですけれども、今回のビジョンは県のビジョンということでいいんでしょうか。これまでサイエンスパーク、いろんな文脈で戦略会議とか九州全体の文脈でいろいろ出てきた言葉だと思うんですけれども、今回はあくまで県のということなんでしょうか。

木村知事
はい、これは熊本県のサイエンスパークのビジョンです。


政策としてインフラの整備とか大空港構想とか、これまでの県のやってきたこととの延長線上にあると思うんですけれども、何か変わる点があるのであれば教えてもらえませんでしょうか。

木村知事
やはり新たな産学官連携拠点としてのイノベーション創発エリアという、ある種のゾーニングを示して、そこにパークマネジメント法人というかたちで、たぶん県ではない運営主体を一個かませてやっていくというところなので、そこは今までの大空港構想とかは単にまちづくりをしましょうとか、そういうことだったんですけれども、より具体的に落とし込んでいった。そして各市町村のそれぞれの計画と合わせる、それをうまく取り込んでいく構図にしたという意味においても、これまでと(比べて)さらに深まったと思っています。


このゾーニングの規模というのは何かイメージあるんでしょうか。

木村知事
はい。これもあとで正確な積み上げの数字は担当課に聞いていただければいいですけれども、この今の計画で各市町のやろうとしている区画整理とか、または今のセミコンテクノパークなんかを含めると、大体340ヘクタールぐらいです。


あと、台湾のサイエンスパークは、集積していたり行政機関が直接運営してインフラ関係の契約もワンストップだったりというところが特徴だと思うのですが、今回はだから、それとは全く違うサイエンスパークだということなんでしょうか。

木村知事
パークマネジメント法人がどういう運営スタイルになるのか、例えば、マネジメント法人のなかに県なり自治体が事務所というか出先の窓口を置いて、ワンストップで全部やっていくということもあり得ると思います。ただ、もちろんそこには公的な部分と私的な部分とかがぐじゃっと(混在)していますので、そこはちゃんと整理しながらだと思いますけれども、例えば民間が開発している、ちょっとこれは関東の例ですけれども、タワマンの中に公民館が入っていて、公民館の人とタワマンを管理する事業主体の人が一緒になって窓口をやっているような実例もあったりしますので、ともかく台湾みたいにすべて行政が背負うというかたちには、ちょっとなかなかこの国では難しいかなと(考えています)。やはり一緒にやってくださる民間事業者との連携のなかで進めていきたい。
ただ、なるべく台湾のサイエンスパークのいいところ、すなわちそれはワンストップでいろんな問題が解決する、そのなかに店子で入る人たち、企業なり研究機関の側からすると、そこに相談しておけば大体全て解決するというような、そういう絵面にはもっていきたいと思っています。
ですので、完全に行政が一切関わらないということにはならないと思っています。こういう法人のあり方を含めて、これから練り込んでいかなきゃいけないと思っています。


今おっしゃった、この国では難しい部分をもうちょっとだけ伺いたいんですけれども。

木村知事
政府がやる気がないからです。


つまり台湾の場合は政府が直接、行政院の下で管理とか運営しているけれども、日本ではそういう制度にならない。

木村知事
場合によっては、それは県が企業局を使って、そこがやり切るというパターンも今後あるかもしれません。ただ、台湾みたいに国の政府がやるという構図には残念ながらならないんじゃないかと思っています。

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質疑応答10


くまもとサイエンスパーク推進ビジョンの策定について 7


何点かあるんですが、まずサイエンスパークの件から。
周辺開発に関する対応をよろしいですか。この資料(推進ビジョン)にも農業の両立調和というふうにあるんですが、先の県の調査でも畜産関係だけでも140haの農地の減少が見込まれているということで、なかなか難しいと思うのですが、そのあたりの認識はまずいかがでしょうか。

木村知事
基本方針、あとでまた担当課から説明しますが、(推進ビジョン)6ページの3段落目のところにありますように、「農地の開発に関しては、やはり優良農地、基盤整備された農地を守るという方針のもとで、基盤整備が行われていない農地への集約、誘導などの調整を行うことが重要です。そしてまた、営農を希望する農家の意向をあらかじめ確認して、必要に応じて代替農地を確保するということで両立を図っていく」ということまで明言をしていますので、しっかりとした、いわゆる営農を継続したい方の意向に寄り添っていく農地の活用をしていきたいと思っています。


県が一生懸命なさっているというのは非常によくわかりますし、わざわざここに明記されているというのも評価できるんですが、現実的には商取引、不動産取引というのは高いほうに流れていくものであって、現実的には、これは可能だというふうに思われますか。

木村知事
はい、可能だと思っていますし、逆をいえば農地に縛り続けることはむしろ不可能だと思っています。農地だって流動しますから。
そのなかで営農を続けることが大事なので、農地の量がちょっとでも減ったらそれはすべていけないんだってなってしまうと、それは私は違うんじゃないかな(と思います)。
やはり最適活用していくなかで農業をしっかり守っていく。今はTSMCだろうがサイエンスパークだろうがなくたって農地はどんどん減っていっているんですよね、担い手がいないので。
ですから、何とかそれをくい止めるために、熊本県では今、担い手の面と、また直近で言えば営農を継続させたい人に対するマッチング。これマッチングも県がやった分以外の民民の取り引きなんかも含めていくと、やはりそこそこの量にだんだんなってきましたので、しっかりと県の方針を徹底していきたいと思っています。農業を守っていくというのは、県の重要な政策だと思っています。


関連なんですけれども、ちょっと教えていただきたいんですけれども、これは旧経産省が昔やったテクノポリス構想とほぼ私の感覚的には同じようなものなんですけれども、まだ全国的に見たらどちらかといったら失敗例が多いと思うんですが、そのあたりの教訓とか何かちょっと(他と)違うんだよという点があれば教えていただきたいと思います。

木村知事
そういう意味でいけば、国はテクノポリスにしても構想だけで具体の関与をしてこなかったのが、やはり、打ち上げ花火で終わったというところが、そのあとのフォロー政策って何もなかったんですね。
ところが熊本はテクノポリスの中の特にこのセミコンについては着々と県の方針としてやってきた結果、ソニーが来て、そしてまたJASMが来てということになったと思っています。今回も私たちとしてはしっかりと県もコミットして参画していきます。そうしたなかで特に今まで以上に企業誘致というのではなくて、産業を起こしていくというところで、大学ないしは研究機関というものにさらに視野を置いてやりますので、必ず続けていくように県として粘り強くこの構想は推進していきたいと思っています。

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質疑応答11


​県職員の人事異動について 2


別件なんですが、人事の件です。中島さんが農林水産部長ということで期待はしているんですけれども、具体的に知事として農業技術職を部長にしたことでどのような点が変わると期待しているのか教えてください。

木村知事
はい、まず県にいっぱいいる優れた農業技術職の職員に、部長にまでなれるというキャリアパスを見せたかったです。
中島さんは本当これまでも素晴らしい経験をお持ちの方で私も長年一緒に仕事してきましたし、たしか技術職で初めて知事の秘書をやったんじゃないですかね、蒲島知事の秘書をやられています。
そういうことも含めて技術、事務問わず人望が厚い方です。ただやはりそのなかで、私は先ほどの質問にも答えたことが、やはり担い手の育成、農地を守っていくこともたしか(に大切)なんですけれども、それ以上にやはり今、危機感をもつべきは担い手の育成だと思っていまして、そこにやはり農研センター長も含めて、またはこれまでも農業の現場で担い手育成、農家の方々の信頼も厚い中島新部長を中心にしたチームで、さらにこの担い手育成を強化していきたい、そこを特に一番期待しています。

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質疑応答12


くまもとサイエンスパーク推進ビジョンの策定について 8


サイエンスパーク推進ビジョンの5本の矢の4番の大学についてというところだったんですけれども、少子高齢化で学生に熊本に残ってもらうだったり、県外から熊本に来てもらうというなかで、研究分野でいろんなものをつくるというのも大事だと思うんですけれども、それ以外で学生に選ばれる熊本にしていくためにというので、どういったことが必要かというところも合わせて教えていただければ、お願いします。

木村知事
半導体人材育成に特化したということですけれども、それがすなわち半導体人材というのは繰り返しなんですが、半導体を作る人材もさることながら、半導体を使ったやはり産業をもとにこの地域課題を解決するためには、こういう半導体を作ったらいいんじゃないかというのが大学から生まれてきてほしいんですね。
例えば農業なんかですと、今まで全部人間が管理していたものをセンサーで管理するようになると、例えば気温とかまたは農薬の残留度合いとかが全部センサーとかで管理できたらすごく省力化されますし生産性が上がるんですよね。
そういう半導体を搭載した農機具を作ろうかみたいな動きになってくるといいなと思っています。
そうなると大学自体がやはりワクワクと楽しいものである、そしてまた大学ないしは研究機関を出たあと、就職というか働くことの先も含めて、たしからしさというんですかね、いろんな可能性がつながるものにしていかなければいけないと思います。特に半導体の場合ですと先ほど申し上げたユーザー企業も入れたところで、この大学ないしは研究機関に行くことによってその先があるというところを見せていく必要があろうかと思っていますので、ぜひ、そういうかたちで国内外から人が集うような大学ないしは研究機関の誘致を進めていきたいと思っています。

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質疑応答13


くまもとサイエンスパーク推進ビジョンの策定について 9


サイエンスパークでもう一つだけ念のための確認なんですけれども、5本の矢の3つ目でパークマネジメント法人の設立でございます。
これは要するに台湾新竹でいうところの管理局に当たると。知事もさっきおっしゃっていた台湾のように行政が全部担うというのは難しいので、官民連携でやっていってできるだけワンストップでサービスを対応できるようにって、そういう理解でいいですか。念のための確認です。

木村知事
はい、さようでございます。
やはり都市、今、東京とか福岡とかの再開発の事例なんかを見ていると行政が一からやるというよりも、民間が中心になって再開発して、もともとは行政の土地であっても民間中心に再開発していたほうがうまくいっている事例が山積していますので、そういう民間のノウハウを活用するのがよりいいものができるのではないかというのが私たちの今の感覚です。

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質疑応答14


私立高校いじめ重大事態報道について

知事写真


今日の議題とちょっと逸れるんですけれども、教育の観点から3つお願いできればと思います。
まず1点目が先日、私立高のいじめ対応なんですけれども、2022年度に熊本市内の私立高で男子生徒が部活動の上級生から暴言、暴行を受けて不登校になった事例。
先日、調査報告書がまとまりまして、それで代理人弁護士の会見もあったんですが、そのなかでこの件について、そもそも新聞報道が発端でいじめ重大事態に認められたというところがありまして、調査報告書のなかでも第三者委員会のほうで生徒が公立、私立どこに通うか関係なく不利益をこうむるべきではないという指摘と、あとは私立学校で発生した問題を私立学校だけで解決させることを前提とした現行体制を改めるべきだということで、熊本県に対して公私立問わず手厚いサポート体制を構築すべきだというような要望も出ております。
公私立一体的にいじめ対応するということで、被害を受けた児童生徒と保護者に対して速やかな対応も可能になるかなという思いもあるんですけれども、それについて知事の考えをお伺いしたいです。

木村知事
いじめ問題、熊本市にある私立の件について私も担当から報告を受けました。第三者委員会からは県の対応について指摘を受けましたので、今、公立高校の場合と私学振興課が対応している場合で何か矛盾がないのかとか、ずれがないのかと徹底的に調べさせています。直せるところがあればそこはしっかり直していこうと思っています。
ただ、ちょっと担当課を弁護することだけひと言いわせてもらうと、最初はもう学校が何もしてくれなかったといいますか、学校に対して二度三度重大事態と認定すべきと、県からある種言いたくない言葉ですけれども指導して、そのあと報道出てようやく認めたみたいな感じですので、もちろんそこは学校と県の信頼関係とかも必要なのかもしれませんけれども、やはり危ない案件のときにはもっと踏み込んでいく体制を構築していくべきだという点では私も改善していくところがあればやっていきたいと思います。


現行の体制は維持しながらというところになりそうですか。

木村知事
指摘のあった、いわゆる教育委員会に移管したらどうかという提案ですけれども、移管したところで法的な権限は変わらないので、むしろ移管した茨城県の教育委員会は今、週刊文春でボコボコに叩かれているじゃないですか、非常にひどい状態らしいので。何が言いたいかというと、まず公立学校のいわゆる学校安全・安心推進課みたいなところのほうが体制(職員)が多くて何かやりやすいとかがあるのであれば、例えばこれもちょっと教育委員会と県とで兼務をかけることができるのかとか、人事権、任命権者が違うので難しいところもありますけれども、単に移管すればすべてすむかというと、私はそういうのってやった気になるには一番いいんですけれども、私はそれが好きじゃないんですよね。もっとやはり本当に今の私学の事例と公立の事例で何が問題だったのかというのを見てしっかりと対応していきたいと思っています。

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質疑応答15


天草こざとこ学園の開校について


2点目なんですけれども、学びの多様化学校のこざとこ学園の件なんですが、先日の県私立学校審議会で、こざとこ学園が4月開校を目指していたんですけれども、ちょっと不備があるということで4月開校は延期ということで継続審査ということになったんですが、まずこの件について知事の所感を教えていただけますでしょうか。

木村知事
継続審査になる前から私学振興課のほうからは開校ありきではないということを、ちゃんと保護者と子どもたちには言ってくださいと(申請者にはお伝えしていました)。
ただもちろん、開校というのは学校としてのかたちは今もあって、いわゆるフリースクールというかたちでどこかの学校に籍を置きながら通ってちゃんと認定していくというのは維持しながら、ですので、それはもともとしっかりと徹底してくださいと。
私たちは、止めたくて止めているわけじゃなくて、何とかやってあげたい、何とか認めてあげたいんだけれども、心要な書類とか寮の資金計画とか全然出てこないので、これを強引に認めてしまうと学校ってやはり子どもたちにとっては大切な存在になりますので、しっかり審査してね、ということです。
ちなみに何とか通してあげたいという思いは私たちももっているので、普通は年に1回とか2回しかやらない審査会を、また体制が整えばやれるように(準備)できていますので、ぜひしっかりとこれからも申請者の方と丁寧なコミュニケーションをとって、なるべく子どもたちに多様な学びの場が提供できたらと私どもも願っています。


この件に関して、審議会のほうで必要な書類とか情報が不足しているというような指摘があったということなんですけれども、一義的には申請する側の責任が大きいと思うんですが、例えば、所管課、担当課と事前にどういう書類が必要なのかとか、そういうやり取りとかが、仮になされていたかどうかちょっとわからないんですけれども、そういうのがあれば、もっと上手くいった可能性もあるかなという感じもするんですけれども、いかがでしょうか。

木村知事
私からすると、学校側にもう少し丁寧な準備をしてほしいというか、思いだけでやはり学校って(新設)できませんので、あまり学校の設立とかを強引にやるとよくないというか。
なので、何とかこの学校については(丁寧に)やってあげたい。
担当課にまたちょっと聞いていただきたいんですけれども、一応こういう書類を出してくださいというのは、紙で渡しているはずなんですよね、聞いている限りですと。
それがたぶん、じゃあそこに様式から何から全部つける必要があったのかとか、どこまで箸の上げ下げまで丁寧に指導すべきだったかというところは、個別に担当課に聞いていただきたいですけれども、県としては誠心誠意、向き合ってきたと思っています。
何とかこの学校ができるようになればいい。
ただ、繰り返しですけれども、指摘していることへの答えがないのに、聞いてきた県が悪いみたいに言われるとそれもどうかなと思っています。ぜひ、早くいいかたちで進められるように願っています。

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質疑応答16


教育庁の人事について


教育長人事の件でお伺いしたいんですけれども。
先ほど知事もおっしゃいましたけれども、やはり目玉として、学校現場を知る越猪(おおい)先生を起用されたということなんですが、今年一年で言えば、県立校のあり方とか入試の一本化をどうしていくかとか、先ほどの不登校とかいじめとか、さまざまな教育現場の問題を抱えていますけれども、そのなかで学校現場の経験者はたくさんいらっしゃるなかで、なぜ越猪(おおい)先生を起用されたのかというのと、最後に期待するところを教えてください。

木村知事
越猪(おおい)先生はじめ多くの教員の方、または校長先生、教員から県教委に出向というか来られている先生方とも最初に赴任してきた十何年前から、いろいろと意見交換をしてきました。そうしたなかで、やはり越猪(おおい)先生の場合は熊高、そしてまた宇土の一貫校を作ったときから、校長をやられており、豊富な校長経験、そしてまた校長経験においても、例えば、台湾の当時の情報担当大臣だったオードリー・タンさんとの交流をやったりとか、すごく国際化に対しても理解がある。
また、高校教育課などの県教委としての事務的なこともやっていらっしゃる。そして、辞められたあと民間の教育関連に行かれて、そこでも知っていらっしゃるというところで非常に官民のバランス(を備えている。)先生のなかでも越猪(おおい)先生のことを慕う方も多いというところで期待をしております。やはり今、私は県立高校の魅力化とともに教員の働き方改革、働き方改革というよりも教員の魅力化ですね。高校の魅力化もさることながら教師として働くことの魅力化にも、ぜひ努めていただきたいと思いますので、そこはやはり知事部局の事務職ではなくて学校現場、そして教員の苦労を一番知っている新教育長に期待したいところだと思っています。

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質疑応答17


JR肥薩線について


発表項目外で、JR肥薩線について(質問です)。
この前の議会の時にも少し囲み取材があったかとは思うんですけれども、三駅の廃止案が出されていると報じられています。今日の協議会で具体的には出てくるとは思うんですけれども、それを受けてのことになる予定ではあるんですが、ここのところの知事の受け止めとお考えをお聞かせいただきたいんですが、いかがでしょうか。

木村知事
今日の3時半からの協議会で関係市町村と合意が取れることを期待しています。

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質疑応答18


くまもとサイエンスパーク推進ビジョンの策定について 10


度々すみません。
もう一度、サイエンスパークの関係で、先ほどの知事のメッセージがちょっと掴みかねているところがありまして。分散は不経済というふうにおっしゃったのと、資料でも用地買収が困難なので分散型にというような記述もあって、先ほどのお話だと、本来、国が権限もエリアも集約するのが理想というメッセージが、お考えがあるんだろうなというふうに思ったんですが。
一方で、国がやらないであれば、県の企業局がやるとか、権限やエリアを、やはりワンストップに近づけることが理想なんじゃないかなと思うんですけれども、そのなかでなぜ、例えば理想とする台湾と違う、民間企業によるマネジメントという方法を選ばれたんでしょうか。

木村知事
一つは時間軸です。台湾のサイエンスパークは、例えば新竹でいけば40年かけて作り込んできました。日本で似たようなパターンというと、たぶん筑波学園都市みたいな感じで、あれも50年前から政府主導で作っていったものだと思っています。
ところが今、熊本でそういう何千ヘクタールという一枚の土地を用意するとなると本当にもう農地を全部潰すようなことなんかいけないので、逆に言えば、既に企業が立地していますので、そうした企業を活かしながらやっていくという意味においては、分散というのはそういう大きなというよりも小さなやつをいくつかやっていくという意味での分散型でございます。当然、いずれ八代の工業団地ができて、そこに企業が集積したときに連携することもできるんじゃないかと思う。
実際、台湾はそういう意味で熊本と八代ぐらい離れているところに別のサイエンスパークがあったりするんですよね。まずは、熊本はこのセミコンテクノパークを中心に、ある種の分散で作っていくという、一枚の土地ではないですよという意味においての分散型です。国が県がという議論はあるんですけれども、今、誰が主体かというよりも、やはり産学官連携の創発拠点をどこかに作りたい。それがサイエンスパークなんですね。サイエンスパークというのは、パークというよりもその機能なんですよね、私からすると。
それをなんとか県内に、熊本が九州の中で先んじて用意していくことで、新しい産業を作っていきたいということになりますので、分散型と今のこのいくつかの土地に分かれていく。いろいろな住宅や商業用地開発があったり、それぞれの町がやる区画整理とかと合わせて、このサイエンスパークを作っていきましょうということでございます。


エリアはそうだと思うんですけれども、権限について、例えば法的責任とかですね。
権限というのは、民間企業が入ったり、あるいは企業局と一緒に法人をたちあげたということで、分散化して曖昧化してしまうということが懸念されると思いますし、例えば、環境行政についても制約が出てくる可能性もあると思うんですけれども、なぜ民間企業を入れるという方式を今回取られるのか、教えてください。

木村知事
はい。民間企業を入れるときに、今、その環境というのをあえて言いましたが、法的な規制の話は何も揺るぎないんですよ。法律に基づく規制、条例に基づく規制というのは、どの企業だろうが、またはどういうかたちだろうがやっていきますので、そういう規制をする権限まで民間のマネジメント法人に委ねるなんてことはありえません。それは法律の体系上は許されませんので、そこはちゃんと(行政で)やっていきます。
ただ、企業からの相談とか、いわゆるいろいろな申請とかがあるときの窓口的なものをなるべく一つにしていこう。または、お悩み相談みたいなのをなるべく一つにしていこうというところで、民間と行政が寄り添うかたちでの運営というのはできるのではないかと(思っています)。それはもう詰めていったら、やはりそういうのは全部親方がやるべきなんだ、公がやるべきなんだというふうになれば、そっちのほうになる可能性もあります。
ただ、まずは、特に開発をしていく際の手法として、やはり官民連携のほうが時間的にも合意形成の上にも早く進むというところはありますので、そういう意味での連携してやっていくというところでございます。

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