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【令和3年度】「阿蘇カルデラ」世界遺産暫定一覧表追加資産にかかる提案書を文部科学省と文化庁に提出しました
令和4年1月20日、熊本県と阿蘇郡市7市町村(阿蘇市、南小国町、小国町、産山村、高森町、南阿蘇村、西原村)は、「阿蘇カルデラ-草地とともに生きてきたカルデラ農業景観」を、世界文化遺産暫定一覧表へ追加すべき候補として、文部科学省及び文化庁に対して共同提案しました。
平成20年に、「提案書の基本的主題を基に準備を進めるべきもの(カテゴリー1a)」と位置づけられ、今年で14年になります。この間、構成資産の保護の充実や学術委員会、国際専門家ワーキンググループの設置、国、市町村と連携して景観保全の取り組みを進めるなど、世界文化遺産としての価値の磨き上げや資産の保存策の検討などを行ってきました。
今回提出した提案書は、令和2年度から約2年間にわたる世界遺産としての価値や保護措置等に関する学術検討の成果を取りまとめたものです。
「阿蘇カルデラ」は、約27万年前からの活発な火山活動の結果により形成された世界最大級のカルデラの内外に約6万人の人々が住み、稲作と草原利用が結びついた日本の伝統的な土地利用が今なお息づく、世界でも類例をみない地域です。少なくとも千年以上前から草原の利用が継続しており、豊富な湧水・伏流水がこの地域の土地利用を支えてきました。また、噴火活動を続ける火山で暮らすための精神的な営みとして、火山信仰及び、農耕に関連する信仰・伝承を生み出しました。
以上のことから、過酷な自然環境に向き合い共生してきた人々の、たくましさと知恵の記憶を現在にとどめる、かけがえのない遺産ということができます。
今回の要望活動では、4月の要望活動時に文部科学大臣からいただいた意見を踏まえ、知事や同席した阿蘇郡市の市長村長から、よりグレードアップした提案書の内容や、阿蘇景観保全会議などの取組みについて説明し、阿蘇の世界文化遺産登録に向けての強い思いをアピールしました。
末松文部科学大臣からは「景観保全をしっかり、広く保全してほしい。」とのコメントがあり、蒲島知事が「(文化財保護法による)重要文化的景観の更なる追加選定による保護を目指している。」と返答しました。
都倉文化庁長官からは「(阿蘇の価値の)準備は万端、もう一押し。最有力候補の一つであり頑張ってほしい」とのコメントがあり、蒲島知事から「国際的な学術検討も進めており、カルデラに人が住み続けていることは評価されている。」と返答しました。
提案書の内容は以下のとおりです。
世界遺産暫定一覧表追加資産に係る提案書「阿蘇カルデラ-草地とともに生きてきたカルデラ農業景観」
参考情報
世界遺産暫定一覧表追加資産に係る提案書「阿蘇カルデラ-草地とともに生きてきたカルデラ農業景観」 (PDFファイル:6.6MB)
文部科学省及び文化庁へ提案書を提出した際の様子(令和4年1月20日)
文部科学省 文化庁