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【11月28日】第8回熊本県・熊本市新型コロナウイルス感染症対策専門家会議後の記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0117479 更新日:2021年11月28日更新

【11月28日】第8回熊本県・熊本市新型コロナウイルス感染症対策専門家会議後 記者会見

 

馬場座長、蒲島知事、大西市長コメント全文

馬場座長コメント全文

本日の第8回専門家会議では、次の感染拡大に備えた体制確保、ワクチン接種状況、リスクレベルの改定方針について議論を行いました。専門家会議としての見解を御報告いたします。

【コロナウイルスの状況】
まず、新型コロナウイルス感染症の状況についてです。
デルタ株が中心の流行となった第5波は、これまでにない最大の感染拡大となりました。熊本県においても学校や職場など、様々な施設でクラスターが生じたほか、家庭内感染者数も非常に多く、新規感染者は週1600人を超えるような状況となりました。
その一方、高齢者施設や医療機関でのクラスター発生は少なく、また、県全体の病床使用率は最大でも60%程度に留まりました。
これには様々な要因が考えられますが、中和抗体療法薬の実用に加え、ワクチン接種が進んだことの効果が大きかったことは間違いありません。
専門家会議としても、ワクチン接種の重要性は強調して参りましたので、県民の皆様が全国でも最速ともいえるスピードで接種を受けていただいたことに、感謝を申し上げます。
ワクチン接種は全年代で更に進んでいますので、次の感染拡大が起こった場合、無症状・軽症の療養者が増加する可能性があり、こうした状況を想定した対策を講じる必要があります。

【次の感染拡大に向けた取組について】
国は、11月12日に「次の感染拡大に向けた安心確保のための取組の全体像」を示すとともに、11月19日には基本的対処方針を改定し、第6波対策の方針を示しました。
次の波に対応するための保健・医療提供体制については、10月以降整備を進められており、坂上委員を部会長とする「新型コロナウイルス感染症対策医療体制検討部会」で検討を進めて参りました。
本日、部会での議論を踏まえ、さらに協議を深めました。概要としては、次の3点です。
(1) 医療提供体制については、更なる病床確保を進められたほか、「超緊急時フェーズ」を創設され、県全体では806床の病床を確保し、これまで以上の感染拡大にも耐えられる体制づくりを進められています。
(2) 宿泊療養体制については、今後増加が見込まれることから、全1000室を確保されたほか、宿泊療養施設において中和抗体療法を受けたり、医師への相談ができる体制を構築されています。なお、この点について、委員から、第5波では家庭内感染が多数にのぼったことから、感染防止の観点からも、宿泊療養施設の積極的な活用が必要との意見がありました。宿泊療養施設と医療機関の連携が進んだことを踏まえ、適切にトリアージ等を進めていただきたいと思います。
(3) 自宅療養体制についても増加が見込まれますが、健康観察の実施体制を強化されたほか、必要な方に外来診療・往診・オンライン・電話診療などで医療へのアクセスを高められています。

患者の命を守るためには、宿泊・自宅療養の患者の症状悪化時などに、迅速に医療に繋げることが重要です。本日説明を受けた次の感染拡大を見越した体制について、専門家会議としては妥当との見解で一致しましたが、実際の稼働にあっては、関係機関の緊密な連携が重要です。
医療機関を始めとし、全ての関係者で一丸となった対応を行うことを再確認しました。

【ワクチンについて】
次に、新型コロナウイルスワクチンの接種体制の対応状況について、
特に3回目のワクチン接種体制を中心に報告を受けました。
今回国内で主として用いられたメッセンジャーRNAワクチンについては、非常に顕著な効果が見られ、第5波収束の主要因になったと考えられます。
その一方で、抗体価が経時減少することも明らかにされており、感染防止効果は永続的ではないことが分かっています。
そのため、3回目となるブースター接種が重要となりますが、12月1日から医療従事者への接種が開始されるとの説明を受けました。
感染拡大防止効果の面を考えると、可能な限り迅速に進めることが重要です。市町村と緊密に連携し、着実に進めていただきたいと思います。

【リスクレベルについて】
最後に、リスクレベルについてです。
国の分科会は従来のステージ分類を改定し、より病床逼迫に着目し、都道府県が基準を定め、判断するリスク分類を公表しました。
今回、大きな方針として、県のリスクレベルは国のレベル分類に統合する形で整理を検討されているとの説明を受けました。
ただし、改定された基本的対処方針において、国が緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などを開始する基準が明確にされていないため、県としては更なる国の見解や九州各県の状況を踏まえた議論を経てレベルの詳細な設定を行う方針とのことでした。

新型コロナウイルス感染症については、標準治療の確立やワクチン接種等が進んでおり、公衆衛生対策の開始をより慎重に判断していく検討は必要と考えられるため、専門家会議としても、統合の方針自体に異論はありません。
次の感染拡大前には指標数値や運用方法を決める必要がありますので、今回の議論を踏まえ、可能な限り早く定めていただきたいと思います。

【結び】
新型コロナウイルスは手ごわい病原体ではありますが、人類もかなり武器を手に入れており、脅威度は相対的に減少しています。
ただし、感染症の恐ろしいところは、感染者が指数関数的に増加することです。ワクチン接種で先行していたヨーロッパにおいては、現在感染の再拡大が著しく、重症者・死亡者も増加していることから、再度ロックダウン政策が取られ始めた国もあります。隣国の韓国では、日本と同程度のワクチン接種率であるにもかかわらず、感染者数は過去最多の状況です。
また、南アフリカで発見された、新たな変異株(オミクロン株)は、WHOにおいてVOC(懸念される変異株)に指定されるなど、全世界で警戒が高まっています。
現在は、対策の過渡期であり、病原体を制圧したわけではありません。感染が拡大した場合は、県民の生命と健康を守るため、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置等の公衆衛生対策も必要な段階で、油断はできません。
これまでの公衆衛生対策や迅速なワクチン接種などが奏功しているのは、県民・事業者・医療従事者の皆様の多大な御協力の成果に他なりません。
関係する全ての皆様に、専門家会議からも、これまでの御協力に対し、感謝を申し上げます。また、基本的な感染防止対策の有効性も疫学的に明らかにされていますので、改めて徹底をお願いいたします。

専門家会議座長としての報告は以上です。

 

蒲島知事コメント全文

ただ今、馬場座長からそれぞれの項目に関する専門家会議の見解について、述べていただきました。
本県では、第5波の経験及び国からの要請を踏まえ、第6波を想定し、病床の確保をはじめとした、総合的な保健・医療提供体制の整備に取り組んで参りました。
その成果として、病床については、熊本市を中心に更なる確保を進めた結果、医療機関から御協力をいただき、これまでの最大764床から、806床まで確保することができました。
宿泊療養施設については、789室から1,000室まで大幅に拡充しました。また、健康管理体制についても更に強化を進めました。
自宅療養体制についても、保健所体制の強化を図りながら、医師会などと連携し、健康観察、外来受診の体制強化や、往診、オンライン・電話診療の充実を図って参りました。
委員の方々からは、宿泊療養施設をより積極的に活用いただきたい、また、医療機関と宿泊療養施設の連携を更に進めていただきたいと御意見をいただきました。
また、ワクチンの3回目接種の対応状況についても説明しました。
委員の方々からは、感染が落ち着いているこの時期に、3回目接種を行うことが極めて重要であり、適切かつ迅速に進めていただきたいと御意見をいただきました。
さらに、今回の会議では、国の新たなレベル分類を踏まえた、県リスクレベルの見直しの検討状況についても説明しました。
委員の方々からは、国の新たな分類と県リスクレベルは、統合する方向で検討を進めていただきたいと御意見をいただきました。
引き続き、県・市で連携し、保健・医療提供体制の更なる強化やワクチン接種に全力で取り組んで参ります。
また、県リスクレベルについても、国のレベル分類と統合する方針で検討を進め、できる限り早期に、本県の実情に適した基準を設定したいと思います。

大西市長コメント全文

ただ今、馬場座長と蒲島知事より、本日の専門家会議の 見解や県全体の取組について、御説明がありました。

本市におきましても、第5波の経験を踏まえ、第6波が 起こり得ると想定し、気を緩めることなく、「医療提供 体制の確保」や「保健所体制の強化」に取り組んで参り ました。

【本市の対応】
具体的な内容としましては、第6波に備えて、「自宅療養者等へのフォローアップ体制の強化」として、陽性となった全ての方に対して、かかりつけ医等で診療いただき、また、かかりつけ医をお持ちでない方についても、保健所がマッチングすることで、外来診療は56機関、電話、オンライン診療は99機関、往診は20機関について診療のご協力を得ることができました。

医薬品の提供についても、医師会や薬剤師会と連携し、 144の薬局が薬剤を提供していただくこととなりました。

また、第5波と同程度の感染者数となった場合でも、自宅療養者等に中和抗体薬が円滑に投与できるよう、1日36人に投与可能な体制を構築したところです。

さらに、入院を必要とする方が確実に入院できるよう、 市内の受け入れ病床についても最大で37床増床いた ました。

今後も、県や熊本大学、医療機関等と連携を深めながら、医療提供体制の更なる充実に取り組んで参ります。

【医療機関への感謝・市民へのお願い】
医療機関の医師や看護師をはじめ医療従事者の皆様には、これまでのご尽力に対し、この場をお借りしまして、深く感謝を申し上げます。

また、市民の皆様には、現在の感染が落ち着いている状況を維持するためにも、改めて感染防止対策の徹底にご協力をお願いします。私からは以上です。

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