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令和7年2月熊本県議会定例会における議案説明要旨

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0227156 更新日:2025年2月19日更新

第1 県政運営の所信について

 今回の定例会に提出しております議案の説明に先立ち、県政運営に対する私の所信の一端を申し述べます。

 私は地方創生を自らの使命として全国各地の自治体をお支えして参りましたが、縁あって着任したこの熊本に日本一の「伸びしろ」があると感じ、熊本の力を最大限引き出し、熊本を日本一のふるさとにする、このことに私の今後の人生をかけるという覚悟を持って、昨年4月16日に熊本県知事に就任し、10カ月が経過しました。

 就任からこれまで、なるべく多くの県民の方々、特に、なかなか声をあげられない方、弱き声、小さき声、そうした声にもしっかりと耳を傾け、スポットライトを当てることができるよう、可能な限り現場を訪れる「現場主義」を実践して参りました。
 具体的には、「お出かけ知事室」を開催し、私自ら県内市町村を訪ね、県民の皆様と直接意見交換を行い、県政に対する様々な思いや御提案などをいただきました。
 また、地域未来創造会議においては、きめ細かな住民サービスの提供を担う各市町村長や、地元県議の皆様と地域の課題や発展の方向性について私と直接意見交換をさせていただいています。
 県として県民のニーズに沿った取組みを進めていくために、今後も様々な機会を活用し、まずもって議員各位から地域の実情を丁寧にお聞かせいただくとともに、できる限り多くの県民の皆様の声も直接お聞きし、政策に活かして参りたいと考えております。

 昨年12月には、これからの県政運営の拠り所となる「くまもと新時代共創基本方針」を策定し、目標を「県民みんなが安心して笑顔になり、持続的で活力あふれる熊本の未来を共に創る」としました。
 さらに、重要な3つのキーワードとして、「世界に広がる」「人を育てる」「共に創る」を掲げました。

 まず、1つ目のキーワード「世界に広がる」についてです。
 日本地図で見れば首都東京から遠い熊本も、世界地図で見れば東アジアの中心になります。アジアに広がることで熊本の優位性が活きてきます。
 世界最大手の半導体企業TSMCが、日本の中でもこの熊本に立地したのは、約60年前から続く熊本の半導体産業の長い歴史に加え、台湾との地理的な近さがポイントとなったことは、皆様もお分かりになると思います。
 昨年末にTSMCの日本法人JASMの第一工場が量産開始となり、第二工場の建設も予定されています。また、阿蘇くまもと空港の国際線の便数が過去最高の週43便となるなど、熊本は「世界に広がる」存在となりつつあります。
​ 半導体関連産業の集積とともに、県全体における発展を実現していくためには、県民の皆様の間に存在する渋滞問題などの「見える不満」と、地下水保全などの「見えない不安」について着実に対応することが必要です。
 このため、これらの解消に向け、私をトップとする渋滞解消推進本部と地下水保全推進本部を設置し、課題解消に向けた対策を検討して参りました。
​ 渋滞解消については、特に渋滞問題が深刻である熊本都市圏に関して、市内の補助国道や県道を含めた道路管理の権限を有する熊本市と連携することが重要です。熊本市長とのトップ会談を重ね、3年間で30カ所の交差点改良等に着手することなど、具体的に渋滞解消に取り組む個別路線や交差点などを県と熊本市で決定し、昨年末に公表しました。
 また、地下水の保全については、速やかに実施可能な具体的取組みから着手しており、水位と水質に関するモニタリング体制を昨年中に整備しました。
​ 今後50年、100年先の、未来の熊本の更なる発展に向け、引き続き不退転の決意で取り組んで参ります。

 2つ目のキーワードは、「人を育てる」です。
​ 今、経済や国際交流の面では追い風が吹く状況にあるものの、本県は我が国が抱える共通の課題である少子高齢化と人口減少に直面しています。
​ このため、今後あらゆる分野において、人材の育成・確保、すなわち「人を育てる」ことが重要です。そのためには「教育」と「福祉」の取組みを充実させていく必要があります。
​ このような課題認識のもと、「こどもまんなか熊本」推進本部、「くまもとで働こう」推進本部、外国人材との共生推進本部を設置し、全庁一丸となって取組みを推進することとしました。
​ 引き続き、こどもたちがキラキラ輝けるような教育環境の充実・改善や、外国から熊本への人材の呼び込みなど、様々なケースに対応する取組みをしっかりと検討・実施して参ります。

 これらの推進本部の取組み以外にも、熊本の基幹産業である農林畜水産物の更なる高付加価値化や、各地域の文化と連携した観光振興の推進等を目的として、昨年10月に食のみやこ推進局、観光文化部の設置といった組織改編も行うなど、時機を逸することなく取り組んで参りました。
​ それぞれの課題や対応の方向性の整理が進んだことを受け、取組みを更に加速して参ります。

 知事就任時、私は県政の最優先事項として、令和2年7月豪雨からの復旧・復興と「緑の流域治水」の推進を掲げました。
​ 本年7月に発災から5年を迎える球磨川流域をはじめとする被災地の再生・発展に向け、改訂した「新時代共創復興プラン」のもと、被災された最後のお一人まで寄り添いながら、未来に夢を持てる地域を「共に創って」参ります。
​ また、その前提となる“命と清流をともに守る”「緑の流域治水」の取組みを、国や流域市町村等と連携しながら目に見える形で着実に推進し、流域全体の総合力で安全・安心を実現して参ります。
 取組みの一つである新たな流水型ダムについては、昨年末、環境影響の最小化に向けた取組み、流域の森の現状や土砂・流木対策について、流域住民の皆様と確認し、広く周知しました。引き続き、県民の皆様の理解が更に深まるよう丁寧に説明を続けながら、国や流域市町村と一体となって取り組んで参ります。
 長年ダム問題に翻弄されてきた五木村については、「“ひかり輝く”新たな五木村振興計画」に基づき、新たな流水型ダムの建設地となる相良村については、村が掲げる「未来につなげるむらづくり」の実現に向けて、早期に振興策が目に見える形になるよう支援するとともに、関連する県事業も着実に推進して参ります。

 また、水俣病問題については、歴史的な経緯も含め県政の最重要課題と認識しています。
​ 公健法に基づく認定審査については、申請者個別の事情に丁寧に対応しながら、着実に進めます。
 胎児性・小児性患者の方々には、お一人お一人の気持ちに寄り添い、御本人や御家族の希望を丁寧に汲み取りながら、日常生活の支援に取り組みます。また、水俣病犠牲者慰霊式後の関係団体との懇談においては、十分な意見交換の時間を確保し、皆様の御意見をしっかりと伺って参ります。
​ 併せて、水俣・芦北地域の振興についても、第七次水俣・芦北地域振興計画に基づき、地元市町と一体となって着実に取組みを進めます。また、昨年6月に策定を表明した次期計画についても、地元市町の意見を丁寧に伺いながら、策定して参ります。

 本県が持つ日本一の「伸びしろ」を最大限に引き出すためには、政策を考え、実行する県職員が現場に出向き、県民の皆様の声に耳を傾け、県議会と共に、市町村や関係団体等と連携しながら、それぞれの強みを生かした政策・地域を「共に創る」ことが重要です。これが3つ目のキーワードです。
​ そして、このような取組みの積み重ねが、最終的に私が目指す「県民みんなが安心して笑顔になり、持続的で活力あふれる熊本」へとつながるものと確信しております。
 共に創る「県民が主人公の県政」の実現に向けて、県議会及び県民の皆様の御理解、御協力の程、よろしくお願い申し上げます。

第2 令和6年度2月補正予算について

 続いて、今定例会に提案しております議案の概要について、御説明申し上げます。
 まず、令和6年度2月補正予算についてです。
 国の経済対策に合わせた本県独自の物価高騰対策として、医療・介護・保育施設等への支援、国の支援対象とならないLPガス利用世帯・事業者への支援、生活困窮者やひとり親家庭への支援など、82億円を計上しています。
 また、賃上げ環境の整備や渋滞・交通アクセス対策の推進など、611億円を計上し、国の経済対策に呼応した事業の総額は、693億円となります。
​ 併せて、今後の執行見込みの精査による減額など、必要な補正を行っています。
​ これらにより、一般会計は563億円の増額補正となり、補正後の現計予算額は、9,304億円となります。

第3 令和7年度当初予算について

 次に、令和7年度当初予算について御説明いたします。

1.予算の基本的な考え方・概要

​ 今回の予算は、昨年12月に策定した「くまもと新時代共創基本方針」を踏まえ、全庁一丸となり熊本県の飛躍に向け挑戦し、県民の皆様と共に「くまもと新時代」を創っていくことを目指し、各分野の施策を力強く推進、あるいは加速するように編成しました。
 この結果、一般会計予算の総額は、8,448億円となります。​

2.予算の主な内容​

 続いて、歳出予算の主な内容について、「くまもと新時代共創基本方針」の柱に沿って説明いたします。

(1)こどもたちが笑顔で育つ熊本​
 第一に、“こどもたちが笑顔で育つ熊本”についてです。
 まず、こどもを持ちたいという方々が不妊治療を受けやすい環境を整備するため、保険適用外の先進医療に対して新たに支援を実施します。
 また、保育士養成施設を核とした保育士の魅力発信や、保育士・保育所支援センターによる潜在保育士の就業促進などにより、保育士の確保を図ります。
 さらに、子育て世代の女性が自らのライフスタイルに合った就労・起業・キャリアアップができるよう、生活圏にある企業とのマッチングや、専門アドバイザーによる起業に向けた伴走支援などを実施します。
 加えて、地域社会に貢献し、世界に羽ばたく志ある人材を育成するため、地域と力を合わせた県立高校の魅力化を進めるコーディネーターの配置や、地元企業等と連携した特色ある学びの実現に向けた学習環境を整備します。
 併せて、教員業務支援員を公立小・中学校、県立学校の全校に配置し、教員の負担軽減を図り、先生が児童生徒に向き合うことに注力できるようサポートして参ります。

(2)世界に開かれた活力あふれる熊本
 第二に、“世界に開かれた活力あふれる熊本”についてです。
 まず、国際交流の進展や地域・経済の活性化につなげるため、海外向けの広報を強化するとともに、県内在住外国人への情報発信を充実させます。
 また、海外の大規模イベントでくまモンの露出や来場者と触れ合う機会を増やし、改めて海外におけるくまモンの認知度向上や関連商品の市場拡大、熊本への誘客を促進します。
 本県における在留外国人数が過去最多となる中、多文化共生社会の実現に向け、市町村が課題を抱える防災、教育、子育て支援等の分野でコーディネーターによる伴走支援を行います。
 また、地場中小企業が半導体サプライチェーンに参入できるよう、専門家による技術指導やビジネスマッチング支援を行うとともに、中小企業における、デジタル技術を活用した、業務プロセスの改善や新規ビジネスモデルの創出などの生産性向上に向けた取組みや、脱炭素化の取組みを総合的に支援します。
 県南地域における、市町村が主体となり立地企業が連携して行う人材確保に向けた取組みへの支援や、県内学生の職場体験研修の実施などにより、地域内就職率の向上や離職率の低減を図ります。また、農業分野においては、市町村と企業等との交流会の開催など、県南地域への企業参入を加速し、県土の均衡ある発展を目指します。
  「食のみやこ熊本県」の創造に向け、親元就農を含む農業の担い手確保・育成に取り組みます。また、農林畜水産業者や食品加工業者、観光業者など複数の関係者が一体となったコンソーシアムを組織化するとともに、6次産業化による高付加価値化、魅力発信等を支援します。
 観光と文化の振興については、本県独自の文化を観光資源として磨き上げ、地域に根差す民俗・歴史等を活用したエコツアーや、伝統的工芸品の販路拡大等を実施します。
 先に述べた渋滞解消に向けては、短期的な取組みとして信号制御の最適化を行うエリアの拡充や、交差点改良、右折レーンの延伸、バスベイ整備等を実施します。また、中期的な取組みとして、道路拡幅やバイパス整備など、道路ネットワークの整備を着実に推進します。さらに、長期的な取組みとして、熊本都市圏3連絡道路の早期実現に向けた調査等を実施します。

(3)いつまでも続く豊かな熊本
 第三に、“いつまでも続く豊かな熊本”についてです。
 豊かな地下水は熊本県の宝です。地下水位をリアルタイムで確認できる体制を拡充するとともに、水質汚濁防止法に基づく河川・地下水の水質調査結果を迅速に分かりやすく情報発信します。併せて、有機フッ素化合物PFOS及びPFOAへの対応として、飲用井戸所有者等が行う水質検査への支援や県の分析体制の強化等を実施し、県民の不安払しょくにつなげます。
 また、阿蘇地域における地下水涵養の取組みを持続可能なものとするため、草原などグリーンインフラの維持・保全活動を支援する仕組みを構築します。
 さらに、人吉・球磨地域に、県による地域おこし協力隊を配置し、人材確保、産業・観光振興などの広域的な課題解決に取り組みながら、地域の核となる人材となり新たな移住者を呼び込むような仕組みづくりにも取り組みます。
 加えて、県民誰もが活躍できる社会づくりに向け、障がい者の意思疎通を総合的に支援するための拠点を設置し、情報通信技術を利用する機会の拡大や、その活用能力の向上を図り、障がい者の自立支援と社会参加を促進する取組みなどを進めます。

(4)県民の命、健康、安全・安心を守る​
 第四に、“県民の命、健康、安全・安心を守る”についてです。
 まず、熊本地震及び令和2年7月豪雨で甚大な被害を受けた被災市街地の一日も早い創造的復興に向け、益城町における土地区画整理、来年度中の全線供用に向けた県道熊本高森線の4車線化及び人吉市青井地区における土地区画整理や国道445号の道路拡幅を着実に推進して参ります。
 また、急なケガや病気をした際に電話相談できる救急安心センターについて、24時間対応できるよう体制を拡充し、県民の安全・安心や適切な医療の提供につなげます。
 さらに、ストーカーやDV等の被害者への保護対策カメラ設置、人口増加が進む地域への防犯カメラの設置などにより、人身安全対策、犯罪抑止対策を強化します。
 併せて、サイバー空間を悪用した犯罪や、いわゆる「闇バイト」等の犯罪に対する捜査活動の高度化、電話で「お金」詐欺などの被害防止対策にも取り組みます。

第4 その他の議案について

 予算の概要については、以上です。
 このほか、今定例会には、各種条例案件や、工事関係、専決処分の報告・承認案件なども併せて提案しております。
 なお、今会期中には、人事案件についても追加提案する予定です。
 これらの議案について、よろしく御審議くださるようお願い申し上げます。​