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令和6年11月27日(水曜日)11時00分~
日時:令和6年(2024年)11月27日(水曜日) 11時00分から
場所:知事応接室
会見録
知事定例記者会見の会見録や資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
発表項目・コメント
・地下水におけるPFOS及びPFOAの指針値超過について
・パリ2024オリンピック・パラリンピックメダリストへの熊本県表彰贈 呈式について
・『ONE PIECE』大海賊百景除幕式について
・ノウフク・アワードの受賞結果及び農福マルシェについて
質疑応答
質疑応答1 地下水におけるPFOS及びPFOAの指針値超過について1
質疑応答2 地下水におけるPFOS及びPFOAの指針値超過について2
質疑応答3 『ONE PIECE』大海賊百景除幕式について1
質疑応答4 不活動宗教法人について
質疑応答5 公職選挙法における「寄付」について1
質疑応答6 地下水におけるPFOS及びPFOAの指針値超過について3
質疑応答7 岡山で実施された公費でのPFAS血液検査について
質疑応答8 津波到達時間について
質疑応答9 『ONE PIECE』大海賊百景除幕式について2
質疑応答10 “マンガ県くまもと”の取組みについて
質疑応答11 公職選挙法における「寄付」について2
質疑応答12 地下水におけるPFOS及びPFOAの指針値超過について4
質疑応答13 公民連携によるスポーツ施設整備に関する検討会議について
質疑応答14 地下水におけるPFOS及びPFOAの指針値超過について5
質疑応答15 渋滞解消に向けた取組みについて
質疑応答16 兵庫県知事選挙の結果等について
一点目は御報告です。
地下水におけるPFOS及びPFOAの指針値超過についてということで、速報的なお話ではありますけれども、ご報告申し上げます。
有機フッ素化合物でありますPFOS、PFOAに対する県民の関心の高まりを受けまして、熊本県では産業廃棄物の最終処分場の施設内の地下水に含まれているPFOSやPFOAの調査を、本県独自で今年度から行いました。
その結果、南関町の2施設の井戸において、国の定める基準値である50ng/Lを超えることが確認されました。
後ほど担当課からブリーフィングをさせていただきますが、担当課からの報告によると、産廃最終処分場内の水質及び当該処分場の日常の管理状況から、最終処分場が原因ではないのではないかという意見が出ています。また、周辺住民への注意喚起は実施済みであるという報告を受けておりますが、担当課から、このあとブリーフィングをさせてもらいますので、詳しくはそちらの方でよろしくお願いいたします。
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二点目です。
10月23日の定例記者会見におきまして、パリ2024オリンピック・パラリンピックで素晴らしい成績を収められました、本県ゆかりのメダリストの皆さんを表彰するということを発表させていただきましたが、その表彰の贈呈式の日が確定いたしましたので、お知らせいたします。
まずは熊本県県民栄誉賞でございます。
パラリンピックの車椅子ラグビーで金メダルを獲得されました島川慎一選手、そして乗松聖矢選手。また、車椅子テニスの女子ダブルスで、これも金メダルを獲得されました田中愛美選手、この3名の方につきまして、贈呈式を一緒にできることになりまして、12月10日火曜日の11時10分から行います。
現在、県庁本館1階のロビーにこれまでの受賞者の方の手形などの展示をしておりますけれども、今回の受賞者の3名の方にも贈呈式の際に、車いすラグビーや車いすテニスで頑張られた手形をしっかりとってもらって、後日展示したいと思っております。
また、熊本県スポーツ特別功労賞につきまして、先日、水泳の富田宇宙選手については、ご予定の関係で先に授与式をさせていただきましたが、オリンピック・バトミントン女子ダブルスのシダマツペアにつきまして、12月6日にさせていただきます。
また、フェンシング女子フルーレ、今週もワールドカップで金メダルを獲られましたが、菊池小巻選手には、12月26日に贈呈式を行いたいと思います。
選手の皆さんにはお忙しいなか贈呈式に参加していただくことになりましたので、深く感謝申し上げるとともに、ぜひ報道機関の皆様にも取材等にぜひお越しいただきたいと思っております。
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続きまして、『ONE PIECE』大海賊百景除幕式でございます。
熊本県では人気漫画『ONE PIECE』と連携しまして、熊本地震からの創造的復興を目指して、ONE PIECE熊本復興プロジェクトというのを動かしていることは皆さんもご承知のところと思いますが、今回、取組みの一環として、作者の尾田栄一郎先生の本当にお力をいただきまして、描き下ろしのイラスト「大海賊百景」を阿蘇くまもと空港に、ドーンと(設置し)、12月2日に除幕式を行わせていただきます。
この大海賊百景のイラストは、横が18メートル、縦が5メートルと迫力満点でありまして、阿蘇くまもと空港に10月に開業した「そらよかパーク」を見下ろす位置に掲げさせていただこうと思います。
熊本地震からの創造的復興のシンボルであります、この阿蘇くまもと空港を通じて、世界にONE PIECEを活用して熊本の元気と希望を発信していきたいと思っております。
最後に農福連携について、ご報告申し上げます。
国の農福連携等応援コンソーシアムが主催します「ノウフク・アワード2024」において、県内の2団体が初めて受賞いたしました。
農業と福祉の連携、障がいのある方や何らかのハンディキャップのある方に、農業に携わっていただく取組みで、私も長年これに取り組んでまいりました。このノウフク・アワードというのは、全国で2020年から始まりましたけれども、今回初めて熊本県内の団体が受賞いたしました。
準グランプリに選ばれたNPO法人熊本福祉会は、荒廃農地の活用や6次化の取り組み、障がいのある方や刑務所から出所された方々の雇用を促進しております。そしてまた、農福連携の、熊本県内の地域協議会も、この熊本福祉会を中心に立ち上げていまして、農業法人やJA、企業と連携して地域ぐるみの取組みをしてきたことが評価され、準グランプリということでございます。
また、社会福祉法人小国町社会福祉協議会が優秀賞を受賞されました。荒廃農地の活用や6次化の取り組み、豆腐製造や大豆栽培、そして食肉加工、直販所、レストランなど、さまざまな多角化を通じて、障害の特性に応じて働ける場を創出しておられます。
この受賞された2団体には、農福連携の優良事例としてこれからもぜひ県内をリードしていってくださると思っております。
この2団体以外にも県内には農福連携に取り組む多くの皆さんがおられるため、来週の12月6日のお昼に県庁プロムナードで「ハートつながる・農福マルシェin県庁プロムナード」を開かせていただきたいと思っております。
県内の農福連携に取り組む農業者や福祉事業所など、16団体が出店いたします。野菜、米、卵、柑橘類、パン、水餃子など、水餃子は「モッちゃん水餃子」で最近知られていますけれども、多くの農産物や加工品が販売されます。当日は先ほどアワードを受賞されました熊本福祉会、小国町社協も出店されますし、私も現場に行かせていただきたいと思っております。
農福連携の取組みを知っていただき、また商品を手に取っていただける、いい機会でございますので、ぜひ皆さんもお越しいただきたいと思っております。
実は先日、先週の日曜日、「くまもと秋の食祭in県庁プロムナード」というのを開催させていただきました。農福マルシェのイメージがしやすいように紹介させていただきます。
これは県の主催ではあるんですけれども、9月5日に記者会見で表明させていただいた、県庁プロムナード開放の一環ということで、「食のみやこ熊本県」が先週やらせていただきまして、約6,000人の方にお越しいただいて、私も行かせていただいて、私もここにチラッと映っています。
イチョウ並木のもとで、多くの方々に楽しんでいただけたと思っておりますので、来週開催される農福マルシェもこんな感じでにぎわって、農福連携への理解が広がればいいなと思っているところでございます。
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幹事社
今日の地下水の件から一点伺いたいです。
今回、このあとレクがあるということですけれども、事業者が原因ではないということですけれども、立ち入り調査されたうえでのことなのでしょうか。
もう一点が、こうした基準を超える何かが今後も発生した場合、今後12月にTSMCの稼働も控えますが、県民からの関心も高いなかで、県の対応方針を改めて伺いたいと思います。
木村知事
詳細は、調査した場所の図面とかもお見せしながらお話ししたほうが、たぶんわかりやすいと思いますので、この判明した原因なのではなかろうかというのは単純に、その施設の上流と下流とを調査したなかで、そこを通過することでぐっと増えたという感じではないというのがわかるということからでございますし、当該産廃処理施設の防御方法も、一応チェックしている限りでは問題ない(と聞いています)。
今回、ちなみに産廃処分場でちゃんと対応(している)のは毎年やる調査のなかに、今回PFOS、PFOAの水質調査も入れたということでございますので、その全体の調査も含めてあとで再度レクを受けていただければと思います。
今後のPFOS、PFOAについて、PFOS、PFOAのみならず水質については、まず、TSMC、JASMの本格稼働前後での(法令等で)未規制の成分も含めたところでの比較調査を必ずやります。その結果を有識者の意見も踏まえて公表させていただくなかで見ていきますが、PFOS、PFOAなど関心の高い事項について、特に今、全国調査をやっているなかでも、県内もやっておりますので、そうしたものが出るたびになるべく、今回も実は確定値ではないので速報値の段階ですけれども、やはり住民の皆さんの不安もあろうということから住民説明もさせていただいたというふうに聞いております。
PFOS、PFOAなどが判明したら、それに合わせて迅速に対応していく。それとともに定期的な調査というのも併せて行っていくというかたちになっていきます。
幹事社
確認ですが、何か見つかったときの、何日以内に公表とかそういうのは県のほうで指針というのはあるのでしょうか。
木村知事
基本はありません。可及的速やかにだと思っております。
今回の場合も、判明して、まずやはり、(公表しようとしましたが、)ただ一方で、住民の方に関係するであろう500メートル以内とか、そういうの(国の手引き)があるんですけれども、やはりちゃんと(住民に)しっかり説明したうえで、こういうかたちの公表にはなろうかとは思っています。
そこの手順を踏まないと、いきなり報道からドーンと(情報が)行くと住民の不安をいたずらに煽ってしまうところもあるので、私たちはそういうやり方をしておりますけれども、それ以外、何日以内というのはまだ明確に決めているところではございません。
何かまたルール化が必要であれば、そのときは検討いたしますが、現在のところはともかく迅速に速報段階でも住民への説明が終わり次第、すぐに公表するというかたちで今回も対応しております。
幹事社
PFOS、PFOAの件で一点なんですけれども、知事(は、担当課)が住民に説明をされたと伺っているというところで、ご発言がありましたけれども、そのほか何か特段指示されたことというのはありますでしょうか。
木村知事
指示したというか、担当課ベースで動いています。
以前、阿蘇くまもと空港近くでも出たときも同様でありましたけれども、地元市町村としっかり連携すること、そして関係する住民の皆さんに説明をすることと、これがまだ速報値なので、確定値にもって(調査して)いくと同時に、住民の皆さんの不安はやはり自らの飲料水、特に今回の地域では井戸水で皆さん暮らされている人たちなので、その井戸の検査を可及的速やかに対応するという方向で指示をして、今そういうことで対応していると聞いております。
幹事社
発表の項目のなかからONE PIECEのほう。今も県庁のプロムナード、イチョウもあり、ルフィ像もありというところで、結構多くの方にお越しいただいているという印象をもっていますけれども、知事の受け止めをお願いします。
木村知事
本当にこのONE PIECE熊本復興プロジェクトにつきましては、地元出身の尾田栄一郎先生、そしてまた集英社さんはじめ関係者の方のお力、ご厚意によりましてここまできています。
私もいくつかの県で漫画と地域おこしみたいにやってきましたけれども、ここまで一生懸命やってくださるのは本当にいなくて、ありがたいと思っております。
すでに観光客につきまして、先日のプレスリリースがあったと思うんですけれども、ある調査では、やはり熊本県内、宇土市が、ジンベエ像ができたおかげで前年比何倍みたいな感じで観光客の上昇率トップを取ったとかあります。
やはり熊本地震、もちろん大変な地震でありましたけれども、そこからの復旧・復興の過程を、ルフィをはじめとする麦わらの一味、そしてONE PIECEのメンバーが支えてきてくれたことに、改めて感謝申し上げたいと思っておりますし、今回もこういう大海賊百景が熊本の復興のシンボルになればいいなと思っております。
Q
このONE PIECE熊本復興プロジェクトは、この大海賊百景の除幕式後、今後の動きとしてはどういったものを考えていらっしゃいますでしょうか。
木村知事
今後の動き、基本はルフィ像、麦わらの一味はひととおりの、皆さんの像が揃いましたので、これからそれを活かしていくこと、具体的なプロジェクトはまたこれから尾田先生ないし、ONE PIECEのチームの皆さんと検討させていただきたいと思っておりますけれども、一通り像を揃えてそれで終わりとならないようにいろいろな仕掛けを考えていきたいと思うし、そのなかの一つがこれでございます。まだ私たちの思いの中なので、いろんなサプライズでいろいろ仕掛けていきたいと思っております。
幹事社
発表外から一つ、一部報道で出ておりました不活動宗教法人に関して、二団体に関して県として解散命令請求を地裁に出したというところでございます。知事の受け止めをお願いします。
木村知事
この問題は長年報道機関等々からのご指摘もいただいておりましたし、私どもも関心をもって、しっかり対応しなければということで見てまいりましたところ、やはり今回の二法人については代表が亡くなって長年経っていること、そして今、いわゆる宗教法人としての活動を全く行っていないということから取り消しが妥当だろうという思いで、そうしないと宗教法人制度の信頼にも関わるものですから動いたものでございます。
やはり放置していると悪用とかにつながる恐れもあるということと、当然法令に基づいてしっかり対応するということでございます。ちょっとまだ具体的なところは最終的に、いわゆる裁判所の解散命令が出るまでは細かなことは申し上げられませんが、しかるべく法人格が失われたあかつきにも、しっかり対応してまいりたいと思っています。また、これ以外の法人についても何か問題があるところについては引き続き調べて、適正に対応してまいります。
幹事社
ラスト一問、コチョウランについて、県警のほうで(告発状が)受理をされたというところです。文章ではご回答、コメントをいただいていますけれども、改めて受け止めをお願いします。
木村知事
告発は要件が整えば受理されるものですから、粛々と私は調査、捜査に応じてまいりますし、的確に対応してまいります。
Q
先ほどのPFOS、PFOAの関係で二点お尋ねです。
一点目が数値的なところだったんですけれども、先ほど知事、産業廃棄物処分場の2施設の井戸っていうふうにおっしゃっていましたけれども、二つと考えていいんでしょうか。
木村知事
はい、今回の調査につきましては、県内の熊本県所管でいけば19カ所の産廃処分場で調査をしていて、まだ全部回答が出ているわけではありませんけれども、そのうちの2施設内の井戸から出たというものでございます。
Q
処分場が二つということでしょうか。
木村知事
はい、そうでございます。
Q
その施設のなかにある井戸から、ということでいいでしょうか。
木村知事
はい、いいです。
Q
もう一点がこのPFOS、PFOAの関係で岡山県の一部の町では公費による血液検査を始めました。熊本でも公費による検査を、今後検討する可能性はありますか。
木村知事
今のところそういう考えはございません。
吉備中央町の事案については、やはり住民の不安が相当爆発した。私も町長さん含めてよく知っている方なので、本当に今、厳しい状況のなかで、やはりここまでやらなければと腹をくくられたのだと思っています。
今回の件は、まず一点は速報値であるということ、そして産業廃棄物処分場内の井戸であることから、住民の飲用井戸の調査をした結果がどうなったかによっていろいろな対応を考えていきます。
そのなかで住民の不安があるのであれば、地元自治体と相談しながらいろんな支援策を検討していきたいと思いますが、現段階ではやはり仮定の話には述べないほうがいいと思います。
Q
津波の到達時間について年内に公表されるということでしたが、進捗状況はいかがでしょうか。
木村知事
たぶんすると思います。まだ詳細聞いておりませんので、危機管理防災課にお聞きいただければと思いますけれども、年内には(公表すると思います)。
ただ、確か一応発表する前に各市町村と相談するといって、事前にこういうデータでこういう理屈でこうです、というのを説明に行くと聞いていますので、まだもうちょっとかかっているのかもしれませんが、年内に出るというふうに私は報告を受けております。
Q
『ONE PIECE』の件で、先ほど知事も恐らくNAVI TIMEさんだと思いますけれども、外国人の観光者の滞在数が伸びているというような記事が出ています。
そういったところで、海外の方からの熊本への観光、それとあと『ONE PIECE』のルフィ、麦わらの一味の集客力というか、そういったところに関する感想を伺ってもよろしいでしょうか。
木村知事
すごいものがあると思っています。
わかりやすく言えば、今まさに県庁前を取材していただけると、特に週末、先日の食祭マルシェの時も山ほど海外からお越しいただいている。アジア系の方だとあまりよくわからないところがありますけれども、明らかに、ターバンを巻いている方とか海外の地域の衣装を身にまとわれている方がいっぱいおられて、私があまり知らない言葉も喋られて、多分タイとかあっちのほうの言葉じゃないかなという方もおられましたし、すごく大きな力を感じました。
また、先日フランスのディジョン市の副市長さんが来られましたが、その時も『ONE PIECE』のルフィ像のフランス語の紹介パンフレットをずっと読んでおられたとかありますので、海外に対する訴求力があると思っています。
ただ、これをいかに永続していくかということについては、これからのまだまだ努力がいりますので、しっかりと関係者の皆さんとの理解をいただいて、これからも、より強く推進していきたいと思います。
Q
あと、『ONE PIECE』だけではなくて、例えば『夏目友人帳』だったり、「マンガ県くまもと」としての動きもあるのかなとも思っています。そのあたりはいかがでしょうか。
木村知事
「マンガ県くまもと」は私も先ほども申し上げましたけれども、いくつかの県でそういう行政(としての取組みを)やってきた経験があるなかで、非常に熊本には豊かな漫画資源、漫画に限らず映画とかも含めてですけれども、そういうコンテンツがありますので、今、観光振興課内にコンテンツ推進班というのを立ち上げて一つのチームでやってもらっています。
『夏目友人帳』は、やはり人吉・球磨の豊かな自然とか風景がそのまま描かれているところにおいても、非常に聖地化しやすい、とても有効なコンテンツだと思っています。地元も非常に今盛り上がっていますし、新クールの放送も始まっていますので、『夏目友人帳』もしっかり盛り上げていきたいと思っております。
Q
コチョウランについてですが、県警からの任意調査は受けたのでしょうか。受けたのであれば、いつどのようなことをお答えになったのか教えてください。
木村知事
調査は私自身にはまだないです。
Q
PFOS、PFOAの件ですけれども、数字がわからないですけれども、何か危険性に関して知事があるともないともおっしゃらないのが気になるのですが、その辺はいかがなんでしょうか。
木村知事
今回は産業廃棄物処分場における井戸から出てきましたので、しかも、それはある地点では出ている所と出ていない所といろいろあるなかで、その周辺、国の基準でいうと半径500メートル以内にある住民が生活用水で使っている所もありますので、そちらについてはこれから調査が入りますので、まだ現段階で産廃処分場の井戸は誰も飲みませんので、それをもってして健康被害等々ということは申し上げていないわけでございます。
人家の周辺のばらつきとか、そういうところは、また後ほど担当課からしっかり図面等を用いてレクさせていただきます。
Q
それともう一点、昨日、県営スポーツ施設の検討会議みたいなものがあったと思いますけれども、今後の知事の県営スポーツ施設の整備方針について、検討会議の結果を踏まえたうえで、今、どう思っていらっしゃるかというのをかお聞きかせください。
木村知事
今回2回目ということで聞いております。
一部の事業者の方または自治体の方、市町の方からヒアリングをいただいたということで、まだまだいろいろな方のご意見をお聞きする段階ではないかというのが私の所感であります。
競技団体からも意見をあまり聞けていないところもありましょうし、また市町村からももうちょっと意見を言いたい所もあるかと思います。
できれば、私は任期中に方向性を決めるということですけれども、たぶんこの議論はいろんな意見が出てくると思いますので、なるべく早めにいろいろな意見をお聞きして議論を重ねていきたいと思います。
Q
冒頭のPFOS、PFOAの件ですけれども、これはこの夏にいくつか東海大のキャンパスというのがあったと思いますけれども、これとは違って、県独自の調査でということなのでしょうか。
そうであれば、どういう背景で、いつからやっている政策でしょうか。教えてください。
木村知事
細かいところの日時とか件数とかミスがあるといけませんので、後で担当課からレクさせていただきますけれども、例の大学の件は水道として使っている方について、全国的に(調査を)やっていくなかで判明したということでございます。
【東海大】については、なぜそこが選ばれたとか、そこが県に報告してきたところで超過数字が出たので公表したと。国の調査の一環で県に報告が来たところでわかったので発表したと思います。
今回の調査は飲用の井戸ではなくて、産業廃棄物最終処分場の調査を毎年定期的に県と熊本市でやっているなかで、県が所管する19カ所について、今年度の調査を10月から11月にかけてやった時に2カ所から出てきたと(聞いています)。
ただ、まだ未報告のところもあるので、(まずは)2カ所から出たという数字が出たということでございます。
Q
それは、昨今の半導体企業の集積に伴って新しく強化した施策とかではないということでしょうか。
木村知事
ただ、実際、県民の皆様がPFOS、PFOAに関心が高いということを受けて、今年度から、県が今までの産業廃棄物最終処分場の調査のなかにPFOS、PFOAも調査対象に独自に加えた、という意味においては、地下水等に対する県民の関心の高まりを受けたものだと(考えています)。
そういう意味では、たぶん半導体産業の集積が原因として、そういう関心が高まってきたということは言ってもいいと思っています。
Q
関連で、すごくザックリしたお尋ねの仕方なんですけれども、特に半導体産業が集積するなかで、その前提として、地下水をはじめとした環境を守っていくというのが基本方針なんでしょうか。
というのも、以前、半導体政策は、かなりスピードが肝要だという話もありましたし、そこのバランスについて知事のお考えを改めて教えてください。
木村知事
人間、生きていくためには働く場所がなければいけないところもありますので、県内に多くの優良な職場、働く場を設けていきたいというのは県知事としてやるべき政策であり、企業誘致、産業創出というのはやるべき仕事だと思っています。
ただ、そうしたなかで、その産業集積、企業誘致によって過度に地域の生活環境が侵されるようなことはあってはならないというなかで、バランスをとっていきたいということで、例えば地下水であれば涵養政策を含めて推進しているところであります。ですから、バランスを取っていくというなかでは、当然、地下水も守り産業を創出するということになります。
Q
半導体関連で、TSMC周りの渋滞問題についてなんですけれども、各企業が時差出勤等をやられて、幾分よくなったという声も一時はありましたが、最近、また住民の方に聞いてみると、またかなり(渋滞が)ひどくなっていると(聞きます)。
第二工場の着工も間近に迫っているというところで、また、これからどんどん増える(渋滞問題が悪化するのではないか)ということで不安だと。
既に増え始めているような声も聞かれているんですけれども、ハード対策というところがまだまだ時間がかかるなかで、改めてどのようなところから取り組まれていきたいというふうに思いますか。
木村知事
渋滞の状況、住民の皆さんからすればいろいろなご感想があろうかと思っています。定量的に今どういう状況かというのは、しっかりもう一回把握しなければいけないかなと思っています。
ただ、JASMさんも独自に、例えば通勤バスを運行したいという意向を、今、持っていらっしゃいますし、Hondaさんが新たに肥後大津駅との間で通勤バスを始めたりとか、新しい動きが起きています。まずもって各企業でできることはやっていただきたいと思っております。
むしろ大きな半導体企業で補足できるほうはまだいいというか、むしろ住民の方または新しく増えてきたその他の企業の要因もあろうかと思っていますので、ソフト対策をしっかりやりながら、ただ、ハード対策は過去にない、前例にない規模で今後もしっかりやっていきたいと思っています。渋滞対策本部は、12月末までにはしっかりと方向性を今一度示していきたい。そして住民の不満の解消にちょっとでもつながればと思います。
Q
兵庫県知事選についてお伺いします。
都知事選の時、知事はポスターについて一定の規制が必要ではないかというような見解を示されていたかと思います。今回、兵庫県知事選では、当選を目的としない候補者が特定の候補者の応援をするために立候補するという事態が起きまして、これも議論を呼んでいますが、当選を目的としない候補者がある候補者の応援のために立候補するということについて、知事の受け止め、所感をお願いします。
木村知事
正直全く違和感しかありません。
論理的にいけば、いわゆる自らの当選を目的としない方が5人、10人出れば、供託金を出して無駄にしても、論理的にいえば公費で選挙カーとかポスターとかが貼れる権利が与えられるわけでして、特に選挙カーなんていうのは熊本県を私1台でぐるぐる、支援政党それぞれあったかもしれませんけれども、私は1台でぐるぐる回っていくなかで、本当に大変だったのが、これ10台あったらどれだけ便利だろうと思います。
けれども、それってありえないですよね。お金をどんどん使っていける人が勝つみたいな。
だから、私は当選を目的としない立候補というのが、まず公職選挙法上想定し得なかったと思いますけれども、そこには何らかの歯止めが、ポスターと同様に、選挙運動を目的としないポスターが貼れないように、やはり当選を目的としない立候補というのは、なかなか人間の心情論なので、同意書を取っても、そのあと全然違う行動をするかもしれないので、法律上の規制の仕方はとても難しいと思いますけれども、非常に問題のある状況が生じてしまったなと思っております。
Q
また、今回の兵庫県知事選挙、SNSであったりYouTubeも規制の対象にしたほうがいいのではないか、ビラなどは枚数の制限があるのにYouTubeやSNSの制限がないのは公選法上問題なのではないかという声も一部から出ていますが、こういった点についてはどう受け止めていらっしゃいますでしょうか。
木村知事
ただ一方で、ネットがあることでネットを選挙に活用することができるようになったことで、声が届く人たちもいるわけでして、それはたぶん長年、総務省ないしは選挙関係の学者の皆さんも、侃侃諤諤議論があってネット選挙というのは解禁されてきたと思っています。
私のこの3月の選挙に置き換えて言えば、政策の発信とかにも、やはり(SNSは)使えたなという思いはございます。
ですので、全否定するものではございませんが、あまりにやはり公職選挙法上のルールでぼやぼやっとなっているところが、今、ここ数日来問題になっている話のようにあろうかと思いますので、しっかりと政府において議論していただきたいと思います。
それ以上に、私は、有権者の方々にしっかりと情報を吟味する姿勢が求められる(と思います)。
そしてそれは私たち、今、私は逆に知事という側からすれば主権者教育をもっと徹底するとか、インターネットのリテラシー、若い人たちのインターネットリテラシー、若い人だけじゃない、ご高齢者の方のリテラシーもあるんでしょうけれども、有権者のリテラシーを高めていくとか、さまざまな対応をしていかなければいけない。だから私としても虚偽情報が流れてしまうというリスクがすごくある一方で、あれ(SNSなど)があるから自ら情報を探しに行こうとする有権者の気持ちにも応えられるので、なんかいいところ、いい着地点がないかなと思っています。歯切れの悪い答えで申し訳ありません。